二十二章
下山城×長尾勢行軍中
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家ですから。・・・・して、理由は?」
「下山から駿府までの地図の進捗を確かめるように、姉上から言われたでやがりますよ。どうでやがりますか?」
「既に出来ております・・・・と言いたいが、細かい所はまだ半分ほどです。清見関あたりを越えると厳しい」
「なるほどでやがりますな・・・・」
「しかし、いよいよという訳であれば、急がねばなりませんね・・・・して、大義は?」
「今兄上が、色々と策を講じてやがりますよ」
「ふむ?」
「一二三ちゃん・・・・」
「・・・・そうだね。いつまでもこうしてこのような場所で立ち話も何です。ひとまず、下山にでも行きましょうか」
それだけ言うと、一二三は湖衣を引き連れるようにして荒れた道を歩き出した。
「あれ?二人とも、馬はないですか?」
「ないよ。もともと鬼の群れを追って山中を駆けてきただけだからね」
なるほど。諜報としては腕もいいし、足もという訳ですか。
「なら、夕霧たちの後ろに乗っていくでやがりますよ」
「では甘えさせて頂きましょうか。そうだ、湖衣は側室殿の後ろに乗せてもらうといい」
「はい・・・・・」
「では典厩様。お願い致します」
「かしこまったでやがる!沙紀さん、綾那、歌夜!」
「あっ、待つですよっ!」
「もぅ、二人とも・・・・!」
「捕まっていてくださいね」
と言って沙紀の後ろに乗った湖衣。そして全速力で夕霧に追いつこうとした。まあゼロの本気は夕霧さえ振り払うことが出来るくらいの速さだったのか、夕霧も本気を出して来ましたけど。そしてすぐに減速して同じスピードにしましたが。そして下山城に着いたのは夕方でした。
「そんなわけで、駿府屋形の軒を借りた母上が、いつの間にやら母屋を乗っ取りやがったわけです・・・・」
「ふむ・・・・」
「やはり・・・・そうだったのですね」
私たちが着いたあとに、駿府屋形の異変について語っていました。
「やはりと言いやがるのは、一二三たちも知ってやがったでやがりますか?」
「まさか。鬼のやつらもなかなか狡猾にて、諜報もうまくいっていませんでしたから・・・・これは完全に推測です」
「東海一の弓取りと謳われた義元公ならいざしらず・・・・家を継いだばかりの氏真公が、果たしてそこまで鬼を使いこなせるものかとは、常々疑問に思っていましたから」
「・・・・それが確信に変わったのは、春日山で氏真公にお目に掛かったときでしたがね」
「やはりですか。鞠さんの蹴鞠興行を見ていたのですね」
話によりますと、隊長のも大好評ではありましたが、鞠さんの蹴鞠も大好評だと聞いています。全部のお客さんについても、隊長たちは把握していませんでしたが、我々は空から
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