二十二章
光璃と美空との関係について
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「はい。その姿勢に、信虎派だった武田家の家臣も、ようやくお屋形様を信頼に足る主だと認めるようになりまして・・・・」
「心さんに桜花さん。味噌の割合は、この位でいいですか?」
「あ、もう少し多めに入れて大丈夫ですよ」
「はい。その調子です。そんな感じですよ、雫」
「了解しました。・・・・播州や一真隊の兵糧とはだいぶ違うのですね。面白いです」
「色々工夫しているからね!美味しいご飯は力の源だから。あと桜花さんも上手ですね。心ちゃん並みに」
「私も隊長のお手伝いや自分で料理をする事が多いですから。まあこういう台所は初めてですけど」
「そうですね。・・・・と、すみません。お話、続けて下さい」
「・・・・ですが、甲州は土地が痩せていますから・・・・どれだけ皆で力を合わせても、他国ほどの米の生産は期待できませんでした」
「それで、信州へ進出を」
「うん。もともとお母さんの頃から、進出していたんだけど・・・・。甲斐の中もある程度落ち着いたし、改めて出ようって事になったんだ」
「確かに信州は肥沃な土地ですし、交通の便も良いですからね。東山道を押さえれば、そちら絡みの収入も見込める」
「詩乃ちゃん。そっちのお鍋、そろそろ一度混ぜてみて。底が焦げ付いちゃう」
「あ・・・・分かりました」
「そして我らは諏訪を制し、街道を整えながら、少しずつ北へと勢力を伸ばしていたのですが・・・・」
「ここー!お腹空いたんだぜー!」
「はいはい。ならこなちゃん、桜花さんが作った陣中食の味見してくれる?」
「って、この人は誰なんだぜ?」
「えーと、お兄ちゃんの奥さんで側室なんだって。名前は桜花さんと言うらしいよ」
と私桜花は粉雪さんとの自己紹介をしておりましたら、沙紀側では話が続いておりました。ここからは沙紀側ですが、もちろんこちらでも同じ事を話していましたけど。
「・・・・そこで、砥石崩れですか」
諏訪を制し、北へと勢力を伸ばしていた武田がぶつかった・・・・恐らく最大の敗戦でした。
「左様でやがります。当時上田を治めてやがった村上は、卑劣にも鬼の手なんぞ借りやがりまして・・・・」
「でも、鬼は根切りにしたですよね?」
「もちろんでやがります。ただ、そこで採り逃がした村上があろうことか・・・・長尾に泣きついたでやがりますよ」
なるほど。その頃は美空様はもう上杉から関東管領の座を譲り受けていたのですね。
「信州は関東管領の縄張りでしたか?」
「いえ。関東は遠江、越後、信濃より向こうの十国とされていますから・・・・隣国ではありますが、直接の関係はないはずです。むしろ、その基準で言えば甲斐が関東に入る・・・・」
「甲斐は関東管領の指図なんか
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