DAO:ゾーネンリヒト・レギオン〜神々の狂宴〜
第十五話
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やすと切り刻まれて終わるであろうその行動は、しかしユウキの双剣をはじくことに成功した。見れば、大剣の表面を真紅のエフェクトライトが覆っているではないか。
心意。ジュンの「仲間を守る」という、壁役としての意識と自覚が爆発した、その結果。今ここに居る誰もがその名を知らなかったが、それでもそれは、確かに後の時代で――――そして今、別の場所ではそう呼ばれているものだった。
「リーダー!」
長大なロングスピアを以て、タルケンが素早い突きを繰り出す。軽やかなステップでそれを回避するユウキ。しかしその行く手を、テッチの巨体が阻む。
「くっ……」
「シウネーさん、今だ!」
テッチの叫びを受けて、シウネーはワンドを放り捨てて駆け出す。代わりに抜き放ったのは、一本の剣。
それは、ユウキがかつて使用していたそれと、よく似た片手剣。繰り出すのは、《閃光》の少女から教えられた、ユウキの……ユウキだけの、技。
「は、あ、あ、ぁ、ぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
十字を切るように素早い刺突。クロスの中央をめがけて、強烈な一撃。
十一連撃。《絶剣》ユウキ専用OSS、《お母さんの十字架》。
それを見たユウキの――――その両目から、遂に、涙があふれ出た。止どめない涙を流しながら、それでもユウキは、その二刀を振り上げる。
けれども、もうそこには、憎しみは籠っていなかった。
それは、ユウキが解放されたことを指し示す。何から?もちろん、《白亜宮》の束縛からだ。
ユウキを蓋っていた漆黒の鎧が、姿を消す。二本の剣は一本にまとまり、翼のような装飾を持った剣へと変貌する。あれがあの双剣の本来の姿なのだろう。
「うぁぁぁぁぁぁ――――――ッ!!」
ユウキもまた、全てを燃やし尽くすかのように激しいエフェクトライトを放ちながら、十字の剣閃を描く。その中央をめがけて、神速の一撃。《マザーズ・ロザリオ》。
二つの十字が、激突した。シウネーの心臓に、ユウキの剣が突き刺さる。そして――――
ユウキの心臓に、シウネーの剣が突き刺さった。
「あ……」
二人同時に、その身体から力が抜ける。剣をとり落し、その場に倒れ伏した。
「ユウ、キ……」
「あ、あはは……だめだ……やっぱり、勝てなかった……」
ほんとはね、と涙を流しながら、それでも気丈に笑って、ユウキは続ける。
「逆だったんだ。ボクじゃぁ、みんなに勝てないな、って思ってたの。ああいう風にして、みんなに諦めて帰ってもらおうと思って……けど、みんな、すごいなぁ……結局あきらめないで、ボクに勝っちゃった……いい、仲間だね……」
それを聞いて――――シウネ
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