二十二章
甲斐案内
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話し相手ということでここに派遣されました。
「そういえばさっきの話ではありますが、綾那さんは上流で壊れた橋とか、倒れた木とかが流されて来たりはしませんか?」
「そこが綾那の腕の見せ所なのです!」
「・・・・三河武士はこういうのばかりでやがりますか?」
「わ、私は違いますよ・・・・!?」
「私も知りませんが・・・・」
「ふむ・・・・でも、どこも似たようなものでやがりますなー・・・・。して、その矢作川とやらは今でも氾濫しやがりますか?」
「そうですね。最近は、葵様や悠季の治水事業で、少しずつ成果が出てきているようですが・・・・」
「なんと・・・・。帰ったら、その話を詳しく聞かせて頂きたいでやがりますよ!」
普段は何だかんだ言って冷静な夕霧がここまで食いついてくるなんて、珍しいこともあるんですね。ちなみに夕霧のことは、呼び捨てでいいとの事です。隊長の妻で側室だと言ったらそうなりまして。おそらく光璃様は愛妾で私は側室だからだと思います。先程の二つの川には相当悩まされている様子ですね。
「あ・・・・すみません。実は、私もその辺りはあまり詳しくなくて・・・・。三河にいた頃に、もっと勉強しておけば良かったですね」
「むぅ・・・・では、綾那は・・・・」
「・・・・綾那、もっと知らないですよ?」
「そうよね・・・・」
「大丈夫ですよ。そういうのはこれから勉強すればいいのですから」
「そう・・・・ですね。三河に戻ったら、次はその勉強も頑張ります」
「その勉強には、夕霧もお付き合いさせて頂きたいでやがりますよ!」
「はい。その時はぜひ!」
「・・・・でも、その前にまた春が来て雨が降ったら、ここも氾濫するですよね?」
「・・・・・・・むぅ」
「ちょっと、綾那」
「それは夕霧たちも勉強不足でやがりますから、如何ともしがたい所ではありやがりますが・・・・」
元気が無くなるのは当然ですね。目の前に解決法が提示されかけた瞬間に取り払われた感じでしょうし。
「沙紀さんや一真様はご存じないのでしょうか?」
「知っているといえば知っていますが・・・・。詩乃さんか雫さんが知っていると思いますよ。雫さんは播州の城の普請をちょくちょくやってたらしいですから、堤防の知識もあるかもしれませんね」
本来ならこういうのに詳しい方がいますが、今は越後にいますから。美濃も木曽川の領域だったですしね。
「本当でやがりますか!」
「知っているかは聞いてみないと分かりませんが」
「詩乃や雫ならきっと知っているですよ」
「そうですね・・・・!」
「ふむ・・・。だとしたら、希望が見えやがったかもしれんでやがりますな。ありがたいでやがります!」
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