二十二章
甲斐案内
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公は若い頃は町人に混じって遊んでいたとも聞きやがりますし、そういう違いも出るのでやがりましょうな」
まあ久遠らしいといえばらしいのか。京や越後も清州とは違うしな。
「三河はどうでやがりましたか?」
「三河も甲斐と同じような感じですね。独立したのは最近でしたし・・・・それまでは、今川家の支配下にありましたから」
三河が独立したのは、今川義元が討たれてからの出来事。つまり、俺が降り立ったときということか。
「甲斐はこうして歩いていても、どこか懐かしい感じがするのかもしれません」
「そう言ってもらえるなら何よりでやがりますよ」
「あ、川です!」
綾那が指差した先にあったのは、二つの大きな川がぶつかる合流点だった。水の量はそこまでは多くないけど、川幅は広い。九頭竜川よりも大きいのかもな。
「御勅使川と釜無川でやがりますよ。御勅使川は甲府を西に、釜無川は甲斐を南北に走る大河でやがります」
御勅使川・・・・甲斐に流れる川の名前。暴れ川のため、信玄が一所懸命に堤防を作って治水していた。
「でっかい川なのです・・・・」
なんか綾那がウズウズしているな。歌夜曰く泳ぎたいそうだ。
「良い具合に水練が向いてそうな川なのです」
「おや、分かるでやがりますか?」
「もちろんなのです。いい具合に氾濫したら、きっともっと楽しくなるのです」
「・・・・氾濫は流石に面白くはないでやがりますなぁ」
綾那曰く氾濫すると水練向きだそうだが、夕霧は氾濫で水練はないらしい。でも氾濫はするとな。
「この二つの川・・・・そして、甲斐の東にある笛吹川が、姉上の頭痛の種なのでやがりますよ。特に御勅使川が釜無川に流れ込むこの地点は、大雨が降れば辺り一帯・・・・そうでやがりますね、ここから見えるこの辺りは、軒並み水に流されるでやがります」
この辺り全部か。このくらいの規模の川の氾濫は珍しくもないらしい。三河の矢作川が氾濫するとここくらいになるとか、それで綾那は水練をするらしい。雨がたくさん降ると川の様子を見てくるとかで。綾那以外だったら死亡フラグだな。農家の人や漁師の人とかで、畦の様子や船の舫い綱が外れてないか見に行くらしいからとだから、綾那はフラグを折る側のようだ。注意したあとに散々泳ぐと。
『結局のところ泳ぐのですね』
「この声は沙紀さんです!どこですか?」
『ここですよ』
と言って光学迷彩とIS展開解除した沙紀の姿があった。
「おや、いつの間にでやがりますが」
「隊長はただいま戦闘中ですので、会話をするのなら行って来いと言われたので。もちろん馬もありますよ」
と空間から馬が出てきたけど、ここからは私である沙紀がお送りします。あちらは戦闘中ではありますが、
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