二十一章 幕間劇
祝言後の俺達×光璃との初夜
[3/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
は無自覚な人ではございませんから」
「それはそうですね。妻がいなければ、納得はしますが」
そりゃそうだろうよ。俺は無自覚でもないし、誑しでもないし。
「それに正妻もいるんだから、誑し込んだ覚えはないぞ」
「まあそうですね。私たちが惚れたものが多いですから」
「そういうことにしやがるですよ。食事と湯を済ませやがったら、姉上が来やがれだそうですよ。兄上」
「ああ。分かったが、食事はいいとして湯はいい。湯は船で入るんで」
「湯は船?でやがりますか。そういえば船とはいったい?」
「一真様曰く俺達の母艦だそうです。空に浮かぶ前線基地だと言っていましたし」
空に浮かぶ前線基地ってのまだ覚えていたのか。まあそういうと納得はするけど、夕霧は何の事なのか分かっていないようだ。それに湯の後の事ぐらいは既に承知済みだ。祝言上げたあとは初夜という意味なんだろうとな。本来の主人公だったら無自覚で誑し込んでいる奴で、湯のあとのことも分かっていない鈍感野郎だったな。
「お待たせ!ご飯持ってきたよ。・・・・なんか楽しい話でもしてたの?」
「まあそういうことだ。とりあえずご飯食おうか、諸君」
と言ってからのご飯を食ったけど。やはりたまにはステーキとか食いたいよな。まあ愚痴を言ってもしょうがないので、船に戻ってから風呂に入った。今回は男風呂の方だけど。まあ気分的にな。そして風呂に入ってから、地上に戻った。歯磨きも完了している。で、今は夕霧に教えられた通りに屋敷の中を進んでいく。一応スマホを見ながら歩いているけど、やがて到着したのは明かりの灯った部屋が見えてきた。
「にしても、会ってその場で恋人か・・・・・」
久遠のときもああいだったし、一葉や美空との出会いも突然ではあった気がする。美空のときは神の姿での初見だったし。今回が初めてのケースかもしれんな。まあ神界でもすぐにシましょうというお誘いも受けたこともあったな。で、部屋の前で声をかけようとしたら。
「・・・・一真?」
先に声がかかったのは、部屋内部からだった。
「ああ俺だ。入っていいか?光璃」
「平気」
「では失礼する」
招き入れたこの部屋にいるのは、光璃一人だけ。俺が来るのを待っていたのか、ちょこんと座った光璃の向かいに座布団が敷いてあった。
「いらっしゃい」
「ああ。座ってもいいかな?」
「大丈夫」
光璃に勧められるがままに座布団に腰を下ろす。
「・・・・・・」
それきり、光璃は何も言おうとしない。ただじっと、俺を見つめてくるだけ。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
その瞳は、あの上段の間にいるときと同じように、澄み切った大きな湖のように静か。まあ俺は画面越しで見て
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ