二十一章
祝言後×今川の事
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駿府屋形は今、武田信虎が支配している」
「「「なんですって!?」」」
「・・・・説明して」
「田楽狭間が起きたあと、氏真・・・・通称は鞠という。今川を継いだ鞠は駿河を治めきれなかった。理由は色々とあるが」
「要は無能だったんだ『パシィィィィィイン!』いったーーーー!」
「こなちゃんの代わりですが、申し訳ないです」
「で、続き言うけど。鞠は頭もよくて、心根もすごくいい子だ。ただし若すぎたというのもあるし、光璃や俺みたいに、忠実な部下があまりいなかった。で、その隙を突いて、客人として身を寄せていた信虎が勢力を伸ばして、最後に駿河を乗っ取った。という訳」
「なんつー母でいやがりますか・・・・!軒を貸してくれた母屋をかすめ取るなんてサイテーでやがります!」
「お母さん、そんな人じゃなかったのに・・・・・」
「・・・・それで?」
「鞠は忠臣に守られて駿府屋形から脱出。その後に俺と出会い、それからは一真隊の一員として、俺の背中を預けている存在だ。まあ護衛みたいなもんだ」
「護衛なのに、越後からは連れてこなかったんだぜ?」
「・・・・状況が分からず仕舞いだったし。鞠の正体がバレたら駿府を攻める口実になるやもしれんからな。俺たちは鞠に駿河を取り返す約束で鞠に仲間になってもらったというわけだ。・・・・駿河を武田領にするわけにはいかないからな」
「・・・・なかなか考えていやがりますね。夕霧が席を外してた間に、そんな話をしてやがったですか」
「すまないとは思っているが。鞠を守るためには、必要なことだ」
「・・・・・・・・」
そう言っていた俺達を、光璃は黙って見つめる。
「・・・・連れてきてほしかった」
「悪い」
「・・・・(フルフルッ)仕方ない。駿府屋形の異変は、三つ者たちから報告を受けていた。だけど、家中を動揺させる訳にはいかなかった」
三つ者・・・・武田家の隠密集団のこと。情報収集に長けていた。
やはりか。まあ今も信虎派がいるか分からない状況だ。それに反信虎派の勢いや、駿河を攻める意見をより強硬する可能性もある。
「氏真のその後も同じ」
「・・・・やはり、知っていたか」
「鞠ちゃんが動いていたのは、三河から美濃、京。そこから越後までぐるりと回って、ちょうど武田を包囲する流れでしたからね」
「武田包囲網というわけでは、ないのですよね?」
「鞠にそういう領土的な野心はない。ただ、奪われた自分の国を取り戻すだけだ。皆が笑って過ごせる国にしたいとな。凄く良い子だから、武田の諸君にもきっと仲良くなれると思う」
「だから一真と一緒に氏真を腹中において、駿府奪還を名目に攻めるつもりだった・・・・」
「・・・・駿河はいらんのか
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