二十一章
祝言後×今川の事
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・・・」
「薫から聞いた。苦労」
「左様か。しばらくは周囲の警戒も厳に行ないまする」
「任せる」
「あ、そうだ。ついでにさっきの話の続きをしようか」
「そうであったな。それもせねばなるまい」
「話?」
「鬼退治の時に、春日たちとお兄ちゃんで少ししてたの。どうして甲斐に鬼が出るようになったのかとか、駿府の事とか」
「良人様は駿府の状況を気にしておりましたな。織田の同盟に、足利、近江の浅井と三河の松平、大和の松永がいるのは調べが付いておりますが・・・・三河の頼みか?」
「いえ、我々の頼みではありません。隣国ですから、気になる相手である事は否定しませんが・・・・」
「そういえば、お兄ちゃんのお連れには三河の人が多いよね。お二人ですか?」
「・・・・三人」
「三人?ですが、竹中殿と、播州の小寺殿のお二人は三河の出では・・・・」
「・・・・降りてきて」
そう呟いて天井を見上げる光璃だった。ついでに俺が落ちてくるときには避難しておけと言っておいたんだった。今は元のとこにいる。まあ最初から気付いていると思っていたし、俺が気配を消す結界さえ張らなければバレているだろ。
「・・・・小波。いいから、降りてこい」
「草っ!?」
「お屋形様、気付いてたのかよだぜっ!?」
「なんと・・・・草の侵入を許すとは・・・・」
「侵入ではなく、入れてもらっただけだ」
「・・・・一真の仲間だから、いい。名前は・・・・?」
「・・・・・・」
その問いに、小波は俺を見る。そういえば俺達が紹介することが多かったが、名前を聞かされることはなかったな。
「許可する。名を挙げよ」
「はっ。服部半蔵正成。通称小波と申します」
「ああ・・・・。だから、五人目は遅れて来やがるですか」
「まあな。内緒にするつもりではなかったが、何が起こるかは分からんかったからな」
「まあ、仕方がないでやがる。お互い様でやがりますよ」
「なあ・・・・あんたもこっちの四人みたいに、旦那の未来の嫁なんだぜ?」
「え・・・・・っ」
「ちょっと、こなちゃん。失礼でしょ」
「でもちょっと気になるんだぜ。武士も軍師もお構いなしなら・・・・」
「はいそこまで。俺は無節操ではない」
「・・・・・・・」
発言していいのか、とちらりと視線を投げてくる顔も先ほどより顔を赤くしていた。俺は軽く頷いておく。
「わ・・・・。わわ・・・・私も、一真様の愛妾ですっ!」
「おおー!小波、良く言ったのです!」
「小波、ようやく言えたのね・・・・良かった」
「小波もそうだし、ここにいない者もいるが大切な者たちだ」
「ご主人様・・・・・!」
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