二十一章
本物の晴信×祝言について
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いうか小型ゼットンが来るという確証はないが、一応見張っている。たぶん吶喊してきて詩乃たちがいるところに体当たりして来るんじゃねえのかな。詩乃たちを座らせて兎々は四天王がいるところに座ったけど、家臣団の視線は詩乃たちを見るか一番上の席に視線を配らせていた。まあ家臣団には歓迎されてないのだろうな。武田家の棟梁の席の隣に俺が座ることになるそうだが、足を踏み入れたところで武田家家臣団から逆鱗に触れること間違いなし。特に武田家は棟梁への忠誠が強烈みたいだしな。粉雪も心も俺の事を『怪しい奴』以上に思う所があるのだろう。第一武田でも俺の事はあまり知られていない。化身と思われていたが、実は本物の神であったとか、謎の部隊とかな。あとはトレミーの事とか。春日も一度は殿付だったが、夕霧が様付でと言ったので様付にされているが、色々と考えてるみたいだったし。
「ところで一真様はどちらへ?」
「分からないのら。いつの間にか空に飛んれったのら」
俺が飛んで行ったという話になると、家臣団はざわざわし始めた。人間は飛べないからな。皆は黙っていたけど、沙紀は天井で待機していた。おそらく俺とゼットンの体当たりコースを予測して人をどかしてくれるだろう。あとはシールドビットで周りの武田家臣団を守ってくれると思うしな。最悪公衆の面前で変身しなければならないのかと思うと少し緊張してきた。そんな事を考えていると、木の板を力一杯叩く音が俺の通信機から響いてきた。合図の意味は知らんが、ざわざわしてたのが一瞬にして静まり返る。評定の始まりなのか棟梁のおでましなのか。すると何かを感じたのか上段の間のすぐ脇にある、入り口からだった。女の子が覗いていたが、こいつが晴信本人なのだろうな。上段の間に俺が座る予定の席を見ていたが、俺がいないのか無言のまま見ていた。俺は館の真上にいるからだ。
「・・・・・・一真?」
俺の事を呼んだらしいが、そこには誰もいない。俺がいないのかしゅんとした感じで上段の間にある席に座ったのを確認すると春日が言った。
「武田家棟梁、武田太郎光璃晴信様、御出座!」
やはりな。春日の合図一つで、夕霧や四天王から一番下座の板の間の武士に至るまで、一斉に平伏してみせた。一分の乱れもないそれは、俺達で言うなら上官に敬礼をするのと同じと思えるほどの統率されたもんだった。
「・・・・大義」
涼やかな声で、そう、一言呟くのみ。その一言が合図なのか、家臣団は再び一斉に頭を上げて、辺りに漂わせるのは、今までと同様のむせ返るような張りつめた空気。まあ俺はそれ以上の空気を出せるが。体育会系な光景だなと思いながら春日たちを見たが、いつもの光景としか見えないほどだった。表情一つ変える様子はない。さてと俺も声を出すか。今はまだ外だが、沙紀によって俺の声を聞こえるようにした。
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