二十一章
鬼退治前
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ている。まあ何かあれば俺や綾那が何とかすればいいことだし。で、そんな女の子に連れられて時計を見るとまだ夜の9時までではなかったし、月を見ればそこまで高くない時間帯だった。俺は通信機をつけていて喋るのは本体だからな。今頃鬼を殲滅中か殲滅後に武田の力を見るべく待ち伏せでもしてるのかな。俺と本体はリンクしているし、トレミーからの情報も来る。短い時間ではあるが良く寝れた方だ。そしてこの感覚はというと。
「・・・・一真様」
「うむ。この空気は間違いないな」
この独特のピリピリした空気。部屋の中でもそう感じたが、外に出るとさらにピリピリ感がするな。それに軍師二人はさっき蒸しタオルで顔を拭かせたから大丈夫だけど。
「それで、この空気から察して倉にある俺達の武器を取りに行くのか?そして戦の準備をしているんだろ?」
「そうなのら」
まあ誰と戦うのは想像が付く。鬼はすでに本体である俺が殲滅している最中だ。そして鬼の格好をさせた夜叉たちに襲わせる。武田の兵の力を見るためにな。その時は俺は戦うフリをする。いくら分身体でも俺は俺だ。
「そういえば君の名前を聞いていなかったが、何て名だ?」
「兎々は高坂弾正昌信!通称は兎々ら!」
「兎々、ね。うむ。覚えたが俺の事は呼び捨てすんな。またはたくぞ」
「一真様のあれは畏怖ですが、なるほど。あなたが武田にその人ありと言われ始めた、逃げ弾正・高坂殿ですね」
原作ではここでエンジンがかかるけど、まあいいか。武田家の者は俺の事は本体だと思っていると思う。分身体と本体との違いはほとんどないが、喋れない事だ。なので、喋るときは本体である俺が通信機越しで喋るんだけどね。こちらの会話も聞いているし。
「そうなのら!えっへん!」
「・・・・それほど有名なのか?」
「はい。武田に四天王あり、不死身の馬場美濃、天下の副将・内藤昌秀、赤備え・山県政景・・・・。そして四天王の最後の一人が、今、目の前におられます、逃げ弾正、高坂昌信殿なのです」
「むふー!」
「逃げ弾正?何か意味でもあるのか?雫」
「はい。本来、異名で逃げるなどと呼ばれるのは、大変に不名誉な事なのですが・・・・こと高坂殿に関しては、違う意味を持つのです。正確な情報収集と分析力。そして慎重かつ明晰な判断力を備え、無謀な戦はせずに退く。ただしひとたび戦えば必ず勝つ・・・・まだお若いですが、既に名将の風格ありと」
「ふむ」
「れも、春日様たちは兎々よりももっと凄いのら」
「逃げ知らずの弾正の兎々で四天王の末席って、上はどれだけなのやら」
名将ばかりだな。まあ黒鮫隊でもベテランの者で精鋭部隊の一員だけどな。
「棟梁である晴信さま、そして御妹君の典厩様、武田四天王。武田が日の本一の強
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