第二章
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が窺えた。
「実はワインはモーゼルなんでな」
「ベートーベンと同じだな」
ここで彼はベートーベンの名前を出した。言わずと知れたワーグナーと同じくドイツの楽聖である。彼が終生愛したワインこそがこのモーゼルなのである。
「そうだな。だがそれでもいい」
「いいのか。ワーグナーなのに」
「ワーグナーもベートーベンを敬愛していた」
これは本当のことである。バイロイト歌劇場もその杮落としにはあの有名な第九を歌っている。戦後はじめての上演前にも歌っている。
「だからいいのさ」
「それもそうだな。それではモーゼルを飲むとするか」
「劇の前にな」
そう言い合ってまずはモーゼルを飲みに向かうのだった。その頃アーダベルトとエリザベータはそれぞれジャーナリスト達のインタビューを受けていた。場所は他ならぬバイロイト歌劇場の楽屋においてであった。
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