二十一章
躑躅ヶ崎館×綾那の蜻蛉切り
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・・・・」
「この武田に知らぬ事などありはしませぬ。ましてや、こちらからお招きしたお客人の事であればなおさら。それと織斑様が本物の神というのは本当ですか?典厩様」
これも武田の情報網という奴か。まあこちらにも隠し球はいくらでも持っているが、一つは俺のことだ。何やらひそひそ話で春日と夕霧が話していた。どうやらそこだけは情報と違うらしい。そりゃそうだ。周りは化身とかだけど本物の神様であるし。
「なるほど。つまり織斑様は拙たちを創った神様と言った感じでござるか。あと典厩様。お屋形様が主殿でお待ちでござる。お客人は拙に任せ、まずはお屋形様と楯無にご報告を」
楯無・・・・源義光より伝わる源氏八領の一つ。甲斐武田家の至宝。新羅三郎義光と、それに連なる源氏の思念が籠められている。
「うむ!では美濃に任せるでやがりますよ!では一真様、あとは美濃に聞きやがれです!」
「ああ。ここまでありがとうな。いってらっしゃい」
「行ってくるでやがるー!」
さてと。まあこの春日というのは大丈夫であろう。
「さてさてお客人。まずは越後から遠路はるばるよう来られたな」
「まあな。ホントに大変な道乗りではあった」
馬に揺られて十日間くらい。川中島からは道も楽にはなったけど、大変な旅ではあった。
「出来れば部屋で休ませてほしい。俺はともかく、連れ合いが疲労しているから、ゆっくり休ませてほしい」
「うむ。己が妾に対する細やかな気遣い、さすが天下御免の者であるな」
「・・・・それだけしか伝わっていないのかー」
「その事ばかりではないがな。墨俣の一夜城、多くの城攻めの手際、織田足利の同盟のこと、鬼どものこと、金ヶ崎の退き口・・・・そして。・・・・ザビエル某のこと」
「なん・・・・だと?」
「我々の事だけならまだしも、武田の情報網とは、そこまで・・・・?」
「この日の本の事であれば、武田の知らぬ事ではない。と言いたいところだが、一つだけ知らぬ事がある。織斑様の正体と部隊についてだが」
春日は自信たっぷりと言う様子であったが、やはり知らない事もあるようだな。黒鮫隊について。自分の属する武田を誇る気持ちが伝わるが、やはり俺と黒鮫隊に真上にいる船については知らない様子だった。そりゃそうだろうよ、トレミーはステルスモードになっているし、間者に見られたらその記憶を消去するから。
「だとしたら、それは・・・・」
「・・・だが、今はひとまずゆっくり休まれよ。既に部屋も用意させておる」
「気遣い感謝する。俺達はそのお屋形様に挨拶しなくてもいいのか?」
「今は典厩様と面会なさっておる。お屋形様は織斑様の事と部隊について以外は全てご存じゆえ、夜までゆるりとされよ」
「夜にはお会いにな
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