二十一章
越後から甲斐・甲府へ
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いうわけでは・・・・っ」
ふむ。気持ちよさそうだな。それに声は俺とシているときよりも可愛くあげちゃっているな。
「おかえりなさいませ、一真様。それより私もあんな声を出していたのですか・・・・・」
「詩乃の方がすごかった・・・・ですぅ・・・・・っ!」
「なあ、夕霧」
雫の声を聞きながら、俺は夕霧に声をかける。
「なんでやがります?」
「甲斐に行ったらさ。俺はどんな事になるの?」
「んー。姉上のお考えは、愚妹の夕霧には分からん事だらけでやがりますからなー。まぁ多分、そう悪くはならないでやがると思いますよ?」
夕霧の俺達に対する態度は、口調を除けばそれこそ賓客をもてなすみたいに気を配ってくれているから助かる。
「ひぁあ・・・・っ」
マッサージもそうだし、詩乃達の体調を聞けば行軍が遅れるのも気にせず休憩を入れてくれる。愚妹なんてとんでもない、気遣いができるいい子、と俺は思う。
「悪くはならない、か・・・・」
「一真様は捕虜か上洛の前の織田の交渉に使われるとか思ってやがりますが、さすがに本物の神様と知ったらそのような扱いをしたら神罰はこちらが喰らいやがりますよ。それに今の所、武田は危急の用事もありやがりますからなー」
「危急、ね」
なんだろうな。そういう割には旅の行程も焦ってはいない。詩乃をチラリと見ても分からないといった感じだ。
「これ以上は夕霧にも分からんでやがりますよ。・・・・ほら、雫、もう片方の足も出すでやがりますよ」
「あ、あぅぅ・・・・・もうじゅうぶ・・・・ひぁあ・・・・・っ」
「姉上は軍神と言われるほどに深慮遠謀をお持ちの方。少なくとも、いきなり頸を取られるような事はないでやがりますよ」
「そうなったら全力で反抗してやるけど。まあそうならないようには願いたいね」
「姉上でも知らなかった一真様のご正体については、こちらも知らなかった情報でやがります。きっと夕霧たちがあっと驚く事をしやがるに決まってやがります。よ・・・・っと」
「ひぁあああん・・・・っ」
「あっと驚く、ねぇ。それに俺の正体については今の所知っているのは織田家中とその連合軍の者たちと越後の者だけ。それに俺は人前で姿をさらさないからな。知らないはずだよ」
まあ、今は夕霧を信じて甲斐に行くしかないか。
「さぁ。調子はどうでやがりますか?」
「うぅ・・・・。だいぶ楽にはなりましたけど」
「さて。それでは、ぼちぼち出発でやがりますよー!」
そんなこんなで、甲斐への馬の旅は続く。夕霧のマッサージのおかげか二人ともだいぶ楽にはなっていたけど。
「おおお・・・・っ!道がまっすぐですよー!歌夜、競争なのです!競争!」
「ああ、ちょっと待っ
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