二十一章
典厩との会談
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?あと書状を聞いて甲斐を滅ぼそうとしたのは本当でやがりますか?」
「俺は提案しただけであって決めたのは美空だ。あとそれについては本当の事だ、俺の妻や恋人たちに感謝するんだな。あと一歩で甲斐ごと滅ぼしていたからな。まあ大切な越後の地を俺達の都合で踏み荒らされるのは御免だ。どこへなりと連れて行くがいい」
「むぅ・・・・見上げた心意気でやがりますな。あと昨日の書状については姉の代わりとして謝りやがるです。ごめんでやがります」
「まあ昨日の事についてはもう怒ってないからいいけど。二つほど聞かせてほしいんだが、いいかな?」
「何でやがりますか?」
「まず一つ目。俺を甲斐に連れていってどうすんの?」
「さあ?」
「さあっておい。分かんねえにかよ!」
「姉上が連れてこいと言いやがりましたから、夕霧はそれを実行するだけでやがりますからな」
堂々と答える典厩の様子に、詩乃や一葉、柘榴たちも表情一つ変えない。変な表情になりそうだったのは俺と周りにいる護法五神だけだ。まあこの時代の将としては変な事を言っているわけでもないのであろう。武人としてはそれも一つの道かもしれんが、俺は神や軍人であって武士ではない。だから変な表情になりそうだったのをこらえた訳だ。
「もう一つは何でやがりますか?」
「俺には美空以外にも妾、恋人がいるんだが。甲斐に行く時は同行させてもらいたいんだが」
「確かに、離ればなれというのは、ちょこっとだけ忍びないでやがりますな。ですが、美空様は流石にダメでやがりますよ?」
「分かってるわよ」
「で、その妾殿とやらはどちらでやがりますか?」
「うむ。あそこにいる・・・・」
そう言って、俺は広間の一角・・・・秋子たち長尾勢と向かい合う位置に座っていた一葉達を指してみせる。
「ふむ。で、どちらでやがる?」
「だから、そこにいるだろ」
「ここにいらっしゃるのは分かるでやがります。ですから、ここにいるどなたが妾殿でやがりますか」
「あのなぁ、どなたって言われても全員なのだが」
「はああ!?こんなにいやがるですか!?」
「越後にいるのは」
「これが全部じゃないでやがりますかー!?」
「まあ、そういうことだ」
「なんとぉ〜・・・・美空様ちょっと良いでやがるか?」
「・・・・何よ」
「大きなお世話かもしれないでやがりますが、なんでこんなのを未来の良人にしたでやがります?」
「わ・・・・私の勝手でしょ」
「・・・・ワケが分からないでやがります」
こんなので悪かったなこんなので。まあ典厩は信じられないという表情というか呆れていたという表情を浮かべた典厩。で、哀れみを込めた目をこちらに向ける。
「(ねえねえ
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