ニ十章 幕間劇
別れの夜
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んだから」
「・・・・・・・」
「・・・・美空?」
「どうすれば・・・・いいのよ」
「何がだ?」
「あなたは知っているんでしょうけど・・・・甘え方なんて、私は知らないって言っているでしょ」
「美空のしたいようにすればいいだけの事だ」
「・・・・嫌がらない?」
俺の腕の中、俺を見上げる美空は、どこか不安そうで・・・・。いつもの自信も力強さも、どこかに行ってしまったようだ。
「嫌がるわけないだろう。殺される以外なら、何をされても平気さ」
それ以前に人の手では殺せない存在だけど。
「なら・・・・・・・一真」
寄せられた美空の吐息がそれ以上近付いて来ないのは、美空がそれ以上の距離感を計りかねているので、最後の一歩を踏み込んだのは俺だった。
「ん・・・・・っ」
どこか甘い吐息を抜けて、その先で触れたのは柔らかな唇の感触である。美空にとってはファーストキス何だと思って優しくした。
「ちゅ・・・・・・んふ・・・・・・」
もちろん力は入れてない。ほんの少し力を込めれば振り解けるほどの牢獄、その中で美空がしたのは・・・・俺のキスに、もっとじゃれつくような感じだった。
「・・・・ちゅぱ、ん・・・・ちゅ・・・・・っ。ちゅ・・・・んふ・・・・・一真、ぁ・・・・」
触れ合う程度だったのが、いつしか美空から求めるように力が籠ってきた。俺もそれを合わせるように、美空を少しずつ強く抱きしめていく。
「んぅ・・・・っ。ちゅ、んふ・・・・これ、ぇ・・・・・ちゅ・・・・」
そして。ゆっくりと唇を離せば・・・・俺と美空の間を繋ぐ月光を弾く細い糸。
「ふぁぁ・・・・・・。一真・・・ぁ・・・・・」
「どうかしたか?」
まだどこか夢心地なのだろう。ほんのりと顔を上気させた美空は、俺の方を見上げながら・・・・途切れ途切れの言葉で問いかけてくる。
「あなた・・・・何かした・・・・?」
「何をとは?口づけ以外に」
「だって、ただの口づけで・・・・何で、こんな・・・・気持ちよく・・・・・」
「気持ち良かったんだ?」
「ううううるさい・・・・。こんなの・・・・こんなの・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・か、一真は・・・・。気持ち、よかった?」
「もちろんだ」
「だったら、その・・・・。・・・・もう一回」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・だめ?」
「まさか。だめなわけないだろう」
「なら、黙ってすればいいのよ。・・・ん・・・・っ」
これだけで気持ち良くなるのは序章だけどな。先程よりももっと甘くなった美空の吐息を掻き分けるようにして、俺は美空の唇をそっと唇を重ね合せる。そしてこの部
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