ニ十章 幕間劇
別れの夜
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る。まあ邪魔してきたら俺のハリセンで一発なんだけど。綾那が何かしてる様子もない。
「愛菜は愛の守護者である以前に空様の忠実な臣!空様が喜んでらっしゃる所に無粋を働くなど、天が許してもこの愛菜が許さないのですぞ!どやーっ!」
「どやーっ!」
「それなら別にかまわんが」
といって俺は二人の頭に手を置く。
「おお・・・・っ?」
「うにゅぅ・・・・。ん、一真様ぁ」
「こうやられるのは、愛菜は嫌だったかな?」
「ん・・・・なかなか、悪い気分ではありませんぞ。いつもは叩かれるから頭を押さえるですが、これはこれで良いのです。もっとやるのです。どやぁ・・・・」
よくよく考えると、この独特の口調もしばらく聞けないのか。それはスッキリしたような寂しいような、微妙な感じだな。
「そうだ。一真様は今日の宴には出られるのですか?どーん!」
「いんや。俺と美空は欠席だ。他のみんなは参加すると言ってたから、綾那たちは楽しんでこい」
「うぅ・・・・。一真様がいないとつまらないのです。どーん」
おいおい。マジで愛菜の口調が移っているぞ、綾那。
「一真様。今日の美空お姉様は、だいぶお疲れのようでした・・・・。お姉様を、よろしくお願いします」
「うむ。俺の未来の妻だし、未来の空のお母さんだもんな」
「はいっ」
空の頭をもう一度撫でておいて、俺は空の教えてくれた庭に向かった。
「何だ、こんな所にいたのか」
空たちと別れて、庭に向かったけどそこにはもういなかったので、残された美空の気を探知して辿り着いたところは、庭の隅にある小さな庵らしき場所だった。
「一真・・・・」
「隣、いいか?」
「ええ。それより身体の方はもう平気なの?あれだけ吐血しておいて」
「ああ。もう平気だ。現代で使っている万能薬があるからな、それを飲んだら回復したよ。それより松葉たちが心配をしていた。また出家するんじゃないか、とな」
「そう。それならよかったわ。それにするわけないでしょ。春日山に典厩がいるのに、わざわざこっちの弱みを見せるような事が出来ると思う?」
「典厩がいなかったら、出家してるわけか」
「そういうことよ」
自由奔放でやりたい放題のお嬢様タイプだが、ワガママ一つ言うにも色々と考えているようだ。
「大変なんだな、国の主というのも」
「一国どころか日の本の棟梁の恋人が言っていい台詞じゃないわよ、それ。それにあなたは神の頂点なんでしょ?」
「まあよく言われるが、俺には権力があっても使うときはあまりないからな。それに神仏の頂点と言っても神々を創っただけだけだし。俺はただその報告を聞くだけだよ」
「権力者を自由に動かせる立場なんだから。昔の藤原
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