ニ十章 幕間劇
別れの夜
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やっぱり川中島っすか!」
「それも違う。一真さんたち、甲斐には自分の意志で行くだけ。だから、これは出発のお祝い」
「それは秋子殿のお考えですか?」
確かそういうの考えるのは家老である秋子が担当だったな。松葉の基準だけど。でも松葉は珍しく詩乃の問いにふるふると首を横に振ってみせて・・・・。
「・・・・松葉が思っただけ」
「よう言うた。余らは向こうの誘いのこちらの意思で乗るのじゃ。唯々諾々と従うわけではない。・・・・そうよの?主様」
「まあ・・・・。そうだな」
松葉の言う通り。俺達は俺達の目的を果たすために甲斐に行く羽目になったんだから。これも晴信の書状内容を聞いてから、一瞬甲斐を滅ぼそうかなーと考えていたけど。結局のところ暴走して俺に慕われている神々に止められたけど。それに開くなら出発の宴だろうな。
「すぐ帰ってくる・・・・よね?」
「まああちら側によってだが。その宴には美空は出るのか?」
「・・・・御大将は、出ない」
「美空様不在で宴ですか?それはまた・・・・」
「という事は・・・・まさか美空の奴!」
ストレスが限界域に入ると、悪い癖で出家するんだっけな。今回の件もそれが発動したのか?
「今は空がいるからいるもんな?」
空が居れば出家癖はないと言っていたけど、空でも抑えられないのだったら・・・・。
「それはまだ。でも宴、一真さんも参加禁止」
「それも松葉さんのお考えですか?」
「これは秋子」
「なるほどな。という事で、俺は出ないからお前らだけで楽しんでこい」
「任せておけ。宴は主様の分まで楽しんできてやろうぞ」
「松葉。一真隊の他の連中は呼んでいいっすか?」
「将は皆呼べって。兵にはお振る舞い、ある」
「・・・・詩乃、雫」
「はい。皆が羽目を外しすぎないよう、ひよ達に言い含めておきます」
「うむ。余らに任せておくがよい」
どっちかといえば一葉の方を心配するんだが、まあみんな居れば何とかなるだろう。
「じゃ、俺は行ってくるわ」
「はい。お気をつけて」
「ああ。行ってくる」
言い方はこれで良かったかは知らんが、まあいいと思い俺は美空のところに向かった。美空のところに行ったが、部屋には気配がない。間違えたのか?そういえば柘榴たちに美空が部屋にいるだなんて一言も言っていなかったな。でも今更戻るわけにもいかないし。とりあえず、気配があるところに行ってみるかと思ったら。
「一真様?」
「あ、空」
「おっと近寄るのはそこまでなのですよ!どーん!」
「ここは通さないのです!どやーっ!」
「・・・・・・はっ?」
あの特徴がある口調が二人いるだと!?
「って、
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