ニ十章
典厩と会談
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まりにいる者だけ聞こえるようにした。
「小さくなったハニーは二度目ですが、何と愛おしいのやら」
「小鳥が肩に止まるのは、何度か見た事あるが、まさか主様を乗せるとは思わなかったぞ」
「すると小さくなったり大きくなったり出来るということですか?一真様」
「一真さーん。御大将と典厩が来るっすよー」
「わかった。空、閉めてくれ」
「わかりました。では閉めますね」
と閉めたが、俺は暗視ゴーグルをしていた。そして外の状況を見るために、監視カメラをセットさせた。偵察機だけどな。これで俺は小さくなった状態で外の様子が見れるようになっている。ちなみに6人は詩乃、雫、一葉、幽、鞠、梅、だ。あとこもり始めた熱気を外に放出して冷たい空気を入れることにしたので、密封のここでも安心して外を覗き見る6人と俺。
「(あれが典厩か)」
「(のようですね)」
背の高さは綾那や鞠くらいだろうか。かなりの小柄な子ではあるが、上段の間を歩く様子や美空を待つために腰を下ろす作法は、梅や歌夜みたいな落ち着いた作法という感じではある。その辺りはさすが一国の使者という風格だな。
「(確か・・・・晴信には二人、妹がおったな)」
美空曰く変人2号と末っ子の二人だったな。
「(信繁殿と信廉殿ですね。信廉殿は姉、晴信殿にうり二つで、影武者を務める事もあるとかないとか)」
「(どっちだ?)」
「(それがしも良くは知りませんので)」
信繁が二番目なら、信廉は三番目ということか。美空もよく知らなさそうだったけど、あの典厩より背が小さいのかな?あと信廉が晴信にそっくりということは瓜二つということなのかもしれない。史実での武田信玄は威風堂々としたおっさんだから、それを女の子=恋姫フィルターにかけるとどうなるのかな?
「(なんにせよ、戦国最強を誇る武田家の棟梁の片腕ともなれば、交渉事でも難敵でしょうね)」
「(ひとまず美空様のお手並み拝見、といったところですわね)」
「(だね)」
俺達がこそこそと話をしている間も、典厩は堂々と腰を下ろしたまま、静かに目を瞑っている。そんな典厩の目が開いたのは、上段の間に美空が姿を現した時だった。ほぼ同じに秋子が入ってきて、部屋の脇に腰を下ろす。
「夕霧・・・・久しいわね。光璃は元気かしら?」
「すこぶるご健勝でやがりますよ!」
や、やが・・・・!?
「それは敵対国としては素直に喜べないけれど、とりあえず良かったとでも言っておくわ」
「美空様もご健勝なご様子で。つまらないですからそろそろ歴史から退場しやがれですよ」
梅や詩乃の方をちらりと見ても、耳を疑うような顔をしていた。やはり聞き間違いや方言とかのレベルではないな。あの典厩の喋り方は。
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