ニ十章
武田への対策
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
かなっても、下手に打って出たらその間にまた春日山を落とされちゃうっすよ」
「かと言って武田は無視できない」
あちらを立てれば、こちらが立たず。それこそ八方塞がりだな。幸いこちらは一真隊は疲れていても黒鮫隊は無傷と言っていいほどだ。
「あの・・・・宜しいですか?」
「どうかした?ちっちゃな軍師さん」
「はい。同盟国として、いくつかご提案が出来るかと」
「・・・・気前いいっすね」
「同盟国になった以上、越後に倒れていただいては困りますから」
「素直に言うわね。・・・・まぁ、そういうのは嫌いじゃないわ。聞きましょう」
苦笑する美空ににこりと可愛らしい微笑みを一度向けてから、雫は表情を引き締める。ついでにこの会話は俺の通信機から船の連中にも聞いてるようだから、対応策が出たら出れるしな。
「まず最初の一手として、織田と長尾の攻守同盟について周辺諸国に伝わるよう、派手に喧伝いたします」
「ああ、なるほど」
それだけでわかったそうだ。俺もだが。甲斐に背後を気にさせるために、織田との同盟を喧伝するとな。
「武田の背後は、織田、松平、今川、そして北条」
「・・・・織田か」
「一真様の思った通りになりますが、織田家が美濃を手に入れたところで、東山道を経由する信濃の南が隣接されてます」
「そして信濃の南部・・・・以前は諏訪と呼ばれていた辺りも、既に武田の領となっています」
なるほどな。確かにスマホでの情報でもそうなっている。織田と武田はけっこう近くになっている。
「松平は言うまでもなく、織田と同盟中。駿府の今川、相模の北条とも、一時は同盟を組んでいたものの、今の駿府は・・・・」
「・・・・信虎おばさんがいるの」
そうだな。駿府は武田にとっても同盟相手ではなく警戒する相手だ。
「まあ、そこは手を打っているでしょうが、比較的不干渉の立場だった織田と松平が越後側に傾くとなると・・・・武田としては動きにくくなること請け合いです」
「なるほど。そこまでは初手ね。そのくらいなら、いくらしても構わないけど・・・・次手は?」
「はい。次に打つ一手は、正直、賭けになります」
「賭け?」
「賭け、というか。・・・・久遠様が認めてくださるかどうか分からない、ということですが」
「・・・・ふむ」
「あー」
「俺も何となく分かってきたな。それ」
一真隊の主要メンツは分かったようだったけど。俺も何となくだ。正直賭けだな。
「うむ。だが妙案ではあろうな」
「ふぇ・・・・?」
「何でそっちばっかり分かった感じなんすか。ずるいっすよ、一真さん」
「もう分かると思うんだけどな」
「そうですわね。また恋敵が増えるとい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ