ニ十章
作戦開始
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に小夜叉ちゃんたちが来ているの」
鞠に言われて下を覗き込めばはるか下に一真隊の兵たちと、小夜叉たちが見えた。今は登っている最中だったけどな。蒼太たちを見れば装備を確認中。今回はアサルトライフルにサイレンサー付きと一応照明弾を持たせている。あとは煙幕や手榴弾も。
「俺達はしばらく待機だ。蒼太たちはしばし休め」
「ふぅ。疲れたのー」
「一真様。お水飲んでいいですか?」
「程々にな。・・・・美空たちは今頃城門前で前半戦だと思うな」
「どうかなぁ。前の時は、馬出辺りで柘榴ちゃん達がずーっと戦ってたの」
「馬出でか・・・・?」
馬出とは城門の前に設けている広場の事だ。周囲には土塁や堀が備えてあって、敵が城門にまっすぐ突っ込んでくるのを阻んだり、ここに兵を溜めて一気に出撃する場面に使われるスペースなんだが。前回は柘榴たちが侵入しての激戦だったようだ。
「でもそうしたら、大手門は戦場のど真ん中ですよ!?」
問題があるのは、この馬出は大手門のすぐ外にあるということだ。
「(ご主人様)」
噂をすれば来たな。
「(小波は今どこ?)」
「(大手門付近の偵察が終わりましたので、ご報告に。現在、柘榴様の本隊が馬出にて戦闘中。大手門は閉じたまま、春日山勢は籠城の構えを取っております)」
さすがに昨日の今日だと出てこないか。
「(大手門は戦場のど真ん中だ。挑むのは厳しそうだな)」
「(恐れながら)」
「小波ちゃん?」
「ああ。大手門は閉じていて、前みたいに柘榴が馬出まで入って戦闘中とのこと」
「・・・・だったら、大手門は捨てるです?」
「まさか。俺達は戦場だろうが、行くに決まっているさ。俺達にはこれがあるから」
俺達には俺たちの支援方法はいくらでもある。
「(ご主人様?)」
「(悪い。千貫門の方は分かるかな?)」
「(今移動中ですが・・・・付近に丸の内に万字の旗が見えますので、恐らく松葉様が攻めていらっしゃるかと)」
千貫門も戦闘中か。燃えてくるな。
「(分かった。詩乃たちからは何か連絡はないか?)」
「(いえ、今の所はなにも。また変事がありましたらご連絡致します)」
「(頼んだよ。こちらは本隊と合流待ちだ。順調に行ってるから小波も気をつけろ)」
「(はっ)」
小波の短い返事が聞こえて、連絡は切れる。
「何だ、暇そうじゃねえか」
「まあな。小夜叉もお疲れ、他の皆は?」
「言われた通り、何人かずつかで登らせているぜ。全員登ったら、八咫烏の連中も来るとよ」
「わかった」
潜入部隊の他の兵の皆も、一定の間隔を置いて次々と登ってきている。このペースなら、全員が揃うのは夕方になって頃か
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