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戦国†恋姫〜黒衣の人間宿神〜
ニ十章
春日山城潜入作戦前×作戦行動の再確認
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「ほらな」

前に侵入した直江屋敷裏に吊り下げたロープはすでに回収済み。崖の上の警戒は少し増えていたが、予想通りの配置のようだ。人手不足かやる気のなさだろう。きっと春日山城の奴らはこう思っているはず。「こんな所から何度も登り降りするわけがない」という考えだが、それは甘い考えだ。

「ただし、崖は前回以上の峻嶮な岩壁。先遣隊として麓まで同行した綾那さん、歌夜さんのお二人も、間違いなく前よりも厳しいとのこと。黒鮫隊の者たちは慣れ慣れしく登っていたと」

「ほらな」

それも予想通りなんだな。トレミーからヴェーダに送っての計算をしてもらい、どこを登るかも計算済み。綾那さえ直江屋敷裏より厳しいって見るより岩壁なら、向こうのはこう思うだろう。「ここはいくらなんでも無理だろう!」とな。こちらはその裏を突くわけだ。

「だ、大丈夫ですの?」

「心配はない。先遣隊の俺達の者も言っていたが、簡単だそうだ。相手の虚を突くのは兵法の基本だろ?」

「それは間違っていませんが・・・・」

「とりあえず相手は五千だろうが、黒鮫隊の前にいたとしても敵わないほどの戦力を持っている。春日山城なんて簡単に落城させたいがな」

「大手を振って正面からぶつかりたいものですなぁ」

裏からの奇襲もちゃんとした任務だ。忍んでいくのもな。

「またワシらの出番は後回しか。まあ作戦ではそうなのだからしょうがない。ワシらが先鋒で戦うのは鬼たちとだ。温存はしておくのも手だな」

「全くですわ。私もこの将才を、いつ天下に示すことができるのでしょう」

「今回は一真隊も、春日山の城攻め部隊に入れるという話ではある」

「先鋒でなきゃ意味ねえだろ」

「その通りですわ!」

「おいガキども!一真の策に文句を言うのであれば、ワシが許さんぞ。ワシだって我慢しているんだから、ガキどもも我慢の一つはできるだろうが!」

と桐琴の説教一つで何とかなったけど。今回の戦は長尾衆がメインだ。サブならともかく、先鋒で長尾衆より目立ったら後で何か言われるんだからな。

「そうです。今までは長尾衆に貸しを作るのが重要でしたが、今回肝要なのはそこではなく、春日山を落とすこと」

「はい。この戦の成功そのものが、難局にある鬼との戦いと、後の日の本の運命に影響を及ぼす、回天の一手」

「この戦いにて、長尾衆が一真様のお味方となるかどうか。・・・・それこそが今後の大局に影響を及ぼすこととなるでしょう」

これを言ったのは二回目だったような気がするが、まあいい。作戦は必ず成功させるのが俺達だ。春日山を取り戻すまでの支払いはいつになるかは分からない。そう言われたら、手伝わないわけにもいかない。

「どうあれ、城門を開けなければなりません。・・・・一真様
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