十九章 幕間劇
祝杯×美空からの問答
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「おーい、誰かいないのかー!」
俺達は長尾勢の本陣にいたんだが、いくら声をかけても反応無し。ここは長尾勢の本陣で間違いないはずなのに、人の気配すら感じない。
「まさか、もう陣を引き払ったなどという事は・・・・」
「美空なら何があってもおかしくはない。今陣を動かしてもいいことはないはず」
「そのはずですが・・・・」
その辺の理屈が通じない美空だからな、一応護法五神を連れてきている。ひよたちに見えるようにしてあるけど、他の兵とかには見えないようにしてある。
「一応呼んで正解でしたね。護法五神を呼んでおいて」
「まあな。美空の用事は大抵呼ぶからな」
その護法五神は、俺の腕にくっついている。帝釈天と多聞天。一歩下がったところにもいるが。
「勝手に入っちまえばいいんじゃねえか?」
「それはさすがに怒られるわ」
ちなみに小夜叉が一緒にいるのは、桐琴からだった。次期棟梁なのだからこういうのも覚えた方が得だとな。主に各務が。勝手知ったる織田家の陣や浅井、足利家辺りならまだいいが、ここは他家の陣だ。
「構わぬであろう。余は将軍ぞ」
「忘れては困るが、一応言っておく。俺は神だから一葉より身分は上だぞ。仮に勝手に入ったとしても怒られるのは一葉だけだ」
「あー。そういやそうだったな。それに怒られるのは公方だけだろうよ」
「そういうことだ。おーい!いないのかー!」
「どやーーーーーーーーー!」
あ、出てきた。
「やあやあ遠からんものは音に聞け、近くに寄って目にも見よ!我が名は人呼んで越後一の義侠人!樋口愛菜兼続なるぞー!どやーっ!『スパァァン!』」
「たく。一言目からそれかよ。美空に呼ばれてきたから、さっさと取り次げ!」
俺は愛菜にハリセン一発してから、俺達の用事を言ったけどな。
「い、今御大将は愛し恋しの我が主、空様と親子の時間を過ごしておられる真っ最中にあらせられます!どや!」
「はあー。じゃあ秋子は?」
「この樋口愛菜兼続、愛の守護者として、空様の大切な時間を何人たりとも邪魔させるわけにはいかぬのです!どーん!ああ・・・・まさに今、愛菜は愛に殉じるのですぞ・・・・!どやぁ・・・・!『パシィィィィィィイン!』うぅぅ・・・・」
人の話を聞けや、こいつめ。
「何だこいつ。面倒くせえな。あと一真のハリセンを受けても懲りてなさそうだぞ」
「主様、このような小娘、ようもまあ攫ってこられたの」
「非常に苛ついたがな」
あのときは俺の手刀で眠らせたから。けど、今それをするわけにもいかないから、ハリセンだけでやっているわけだが。さてと、どうしようかな。護法五神も少し怒り気味なんだけどな。
「愛菜!」
「母上ー!どやーー
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