十九章 幕間劇
救出作戦について×戦後の事
[9/9]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
「頼られるのが、嬉しい」
そのまま、歌夜はゆっくりとその身を寄せてきて・・・・。
「・・・・一真様」
ゆっくりと唇を離なす歌夜が紡いだのは、ほんのりと熱を帯びた言霊だ。
「何かな?」
「その・・・・」
言いにくそうに口をつぐむ歌夜の頭を、安心させるように撫でる。それで落ち着いたのか、歌夜は小さく息を吐いて・・・・。
「・・・・申し訳、ありません」
「うむ」
歌夜の唇から出たのは、謝罪の言葉。
「私は、葵様の・・・・。松平家の、家臣ですから」
「それでいい。俺は別に葵から取ろうとかは考えていない」
本当なら本来の主に仕えた方がいいのかもしれないが。
「歌夜が困っていて、もしどうしたらいいのかわからないときがあれば、いつでも俺を頼ってくれると嬉しい」
「・・・・ありがとうございます」
と礼の言葉を聞いたら、第三者の声が聞こえた。
「きゃ、綾那・・・・っ!?」
俺達の後ろから飛んできたのは、いつもの元気な声であった。
「歌夜、ずるいですーっ。一真様と一緒にいて、何お話してたですかーっ!」
「べ・・・・別に、大した事じゃないってば」
「綾那も一真様とお話したいのですよ!」
そう言って綾那は歌夜の座っている反対側に座った。
「ふふふ。で、何を話すの?」
「そうですね・・・・。・・・・歌夜、何かないですか?」
「ええっ。そんな、いきなり言われても・・・・・困るよ」
「じゃあ何でも良いです」
「なら何を話そうかな・・・・」
シリアスぽくなったが、それを中和する綾那がいるし。その声を聞いた俺と歌夜は顔を合わせて。
「もう、しょうがないなぁ・・・・」
歌夜は今度こそ、心から笑っていた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ