十九章 幕間劇
救出作戦について×戦後の事
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れたなと思うよ」
「そうだったんですか。だから、こんな不思議な部隊になったのですね・・・・」
「うむ。そのときは不便とは思わなかっただろうね。だが、やり方を間違えたなんてのは思ってもいない」
「・・・・金ヶ崎は?」
「やはり気になるか?大勢の鬼に逃げながらだったし、減りもしたが」
「はい。・・・・私たちと合流したときの一真隊は皆元気で、士気も下がるどころか上がっていたので」
「あれは俺達裏の部隊との連携があったから、士気も下がらずに済んだ。それに兵たちを休ませている間に黒鮫隊が主に戦い、一真隊は逃げると言う作戦だったし。俺たちは疲労回復の飲み物もあるし、弾も無限大。それと小波の念話みたいに俺達にもそういうのあるからな。あとは俺達の銃、ここでは鉄砲か。それがあったから助かったもんだし」
「そうですね・・・・。力に頼んで正面からぶつかるしかなかった松平衆は、おかげで大きな痛手を受けました」
「やり方を間違えているというわけではないけどな。直接の攻撃というより、俺達の銃の活躍もあった。正面突破ではなく、頭を使った戦い方でな。それに俺が神ではなかったら誰かが犠牲になっていたのかもしれなかった」
「・・・・はい」
この話はやめるか。振り返るのもいいが、過去ばかり考えるのではなく現在とその先を考えるべきだ。
「でだ、一真隊は表で裏は黒鮫隊でやることにした。だから、一真隊は頸以外の活躍をと思っているのだ。三河の者たちにとっては変わり者あるいは変わった考え方かもしれんが」
「そうですね・・・・。三河は、頸を取ってこそ、主君のために命を捨ててこそ・・・・という考えが強いですから」
そういえば綾那の母親や祖母も、そうやって主君を守ってド派手な討ち死をしたと聞いた。
「武士道と云うのは死ぬことを見つけたり、だったかな」
「・・・・どなたの言葉ですか?」
ああ、この時代の言葉ではなかったかな。
「前に読んだ本にな」
「そうですか。・・・・一真様にお伺いしたいことがありますがよろしいですか?」
「俺に答えられる範囲なら何でもいいよ」
「・・・・・一真様は、小波の事をどうお考えですか?」
「小波かー。大切な仲間だと考えている。搦め手部隊の一真隊にとっては、なくてはならない存在だ。それに俺の恋人の一人でもあるんだから」
「そうですか・・・・。よかったです」
小さく息を吐く歌夜の瞳はどこか寂しそうな感じであった。
「三河では居心地が悪いのか?」
「そ、そういうわけではないのですが・・・・。葵様はこの先の世を、武力ではなく、学問で治めようとお考えのようですから・・・・」
「小波も似たような事を言っていたな」
「そうですか・・・・」
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