十九章 幕間劇
救出作戦について×戦後の事
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どうぞ・・・・」
翼をしまってから、彼女の傍らに腰掛ける。
「何か悩み事でもあるのかな」
「そういうわけでもないのですが・・・・そう見えましたか?」
「まあな。年長者なのか、そういうのも分かってしまうのだよ」
そう答えたあとは、歌夜は何も答えない。静かに、一面の星空を見上げているだけのようだ。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・空様たち」
「うむ・・・・」
ぽつりとつぶやいたのを最小限にして相槌をした。
「無事にお助けできて、よかったですね」
「そうだな。それと歌夜もありがとうな」
「・・・・・・・・!!」
「・・・・先ほども不思議そうにしていたが、俺は何かおかしなことでも言ったかな?」
「・・・・気付いていらっしゃったのですね」
「ああ」
「私のような仕事を褒められるなんて、今まで思ってもいなかったので」
「歌夜たちのおかげで助かったもんだ。三河では褒められないのか?」
「草仕事の、さらに裏方ですから」
「その裏方だってちゃんとした仕事であり任務でもある。裏方が頑張ったからあの作戦は成功したようなもんだ」
「そう・・・・ですか?」
「まあそうだな。本当なら黒鮫隊だけでも出来た作戦だがあえて一真隊の力でやってみせた。あの作戦は誰の力でなくとも、上手くはいかなかっただろうな」
最前線で戦った俺や小波に綾那、バックアップとして歌夜たちや黒鮫隊の者、後でフォローをして一葉、一真隊本隊を動かした雫。美空との連携を取ってくれた詩乃や詩乃を守ってくれた鞠も。
「皆の力のおかげで作戦は成功したんだ」
「でもそれは当たり前のことで」
「当たり前のことが当たり前にできるというのは、凄いことだと思うが」
「・・・・・・」
歌夜はそれでも納得はしていなかった。どこか不思議そうな顔をして、俺の顔を見ていた。
「では昔話をしよう。一真隊のことだ」
「はい」
「最初はひよところしかいなかったんだ」
「詩乃さんは?」
「詩乃が来る前の話になるが、田楽狭間が終わり、美濃の斎藤と戦い、墨俣に一夜城を創った頃の話だ」
「三河が独立でざわついていた話ですね」
「そういえば。あの頃はそういう時期だったのか」
田楽狭間で鞠の母親が討たれたときの混乱を使い、葵は三河を独立させたんだったな。
「その頃に、皆で決めていた。・・・・一真隊は頸を取る以外の方法で手柄を立てようとな。頸を取るのは主に黒鮫隊だったが」
「頸以外で、手柄・・・・」
「俺は取れるが、ひよところは敵将の頸が取れないからな。当時は今より少ないし、鉄砲もなかった。黒鮫隊無しだったら正直ここまで良く来
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