十九章 幕間劇
膝枕
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俺が聞いていない事にすれば、結局幽の勝ちになる。相変わらず、抜け目のないタイミングであったな。幽の奴。
「ぐぬぬ・・・・。どうにかしてへこませる手段はないかの」
「それを言う前に仕事を放り出して出て行くのはどうかと思うが」
と言いながら一葉の頭をそっと抱き寄せてみた。
「そ・・・それはまあ・・・・そうであるが・・・・。というか主様も言えんのではないのか。詩乃やひよにどれだけ仕事を任しておるのだ?」
「俺の場合はやると邪魔になるからやってないだけだ。一真隊の調練とかは見てるけどな。あとは船に戻っての事務職をするだけだから仕事はしているぞ」
そのままゆっくり腰を下ろせば、一葉も俺に寄り添うように腰を下ろす。
「・・・・二条がおった頃は、幽と双葉が色々と引き受けてくれておったのだ」
「それは知っているよ。二条館で初めて会ったときも、公方役は双葉だったしな。あとあのときの弾を弾いたのは俺だけどな」
「やはりそうか。今頃になって考えるとそうか。さすがに幽も疲れておるようでの・・・・。じゃから余もたまには肩代わりしようと思うたのだが」
「まあそうだな」
「久しぶりにやったら肩が凝ったゆえ、しばし休みたいと思うてしもうた事は否定せん」
「しばし・・・・・か」
「後でちゃんとやるぞ?別に、余で分からぬ仕事という訳ではない。かつては余が全てを取り仕切っておったのだからな」
「最初から幽がいたわけではないのか?」
「おるにはおったが、最初から何でもしておったわけではないぞ。徐々に色々してくれるようにはなったが・・・・」
なるほどな。最初からそのような感じではなかったと。まあ俺の副長である劉零だって、最初から万能ではなかったしな。それに苦手分野は部下である仲間のフォローがあって今の劉零がいる。それに俺もな。色んな機体操縦や軍での仕事も最初は万能でもなかったし、最初は10人くらいだったけどな。それが今じゃ300人になって今のブラック・シャーク隊がいるからな。
「何なら後でちゃんとやれよな。仕事」
「うむ」
「少しはここで休んでいくといい。幽もしばらくは来ないと思うしな」
まあ、幽の事だから、分かっていて放っててくれている可能性大だと思うし。
「そうか・・・・。主様がそう言うのなら、しばし休んで行くかの」
そう呟いたら、一葉は俺にもたれかかると、ことりと頭を預けてくれる。
「そういえば一葉とこうしてゆっくりするのは、初めてかもな」
「そうかもしれんの・・・・」
二条では双葉と共に初夜を迎えたり、勉強をしたり、金ヶ崎でも合間に話をした程度。そのあと俺一人で殿する前にも少し話したけど。
「そうじゃ、主様」
「何だ?」
「一
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