十九章 幕間劇
膝枕
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
方針の相談は来るけど、実務とかは任せている。逆に俺は船に戻って報告書を読み漁っているからな。あとは各武器の手入れや部下とのコミュニケーションとか、一緒に食事や風呂とかも。最初は男風呂だったけど、女性隊員が隊長は特別だからこちらでも構いませんよと言ってたので、気分で男風呂だったり女風呂に行ったりとしている。あとは主にトレーニングかな。神器を使い禁手化をしてトレミーの周りを飛んだり、ドラゴンブラスターを放ったりしているけど。上に立つ人間だけど、一真隊の方はお任せだけど黒鮫隊は別。部下と一緒に模擬戦やったりもしてるけど、一真隊の人材には恵まれている。
「まあ俺もたまに船に戻っては事務職とかそういうのしてるけど、一葉を見たらちゃんと仕事しろと言い聞かせるから」
「お願い致します。それがしの言葉は暴れ馬の耳にそよ風の如しでしょうが、恋人である一真様の言う事ならば、あるいは・・・・」
「普通なら責任重大だな」
「まあ当たって砕けろとも言いますし、いくら一真様でも鬼神ぐらいの覇気を浴びせれば言う事を聞くかと」
「砕けないけどな」
仕事をしろというたった一言だけで、命がけの説得みたいに聞こえるけど。
「・・・・・・」
「・・・・・・ん?」
「・・・・ふむ。これだけ粘って悪口を言うても音沙汰無しという事は、鼠は本当に足下には居らぬのでしょうな」
随分と粘ると思ったらやはりそう言う事か。
「それでは失礼致します。一真様も公方様をお見かけしたら、それがしが探していたとお伝え下さい」
「ああ。早めに見つかるといいな」
そう言い残して、幽はほてほてと俺の部屋を出て行くのだった。そんな幽を出て行ってすぐに、透明と気配を遮断されるのと近づかないように人払いの結界を解除した。
「あの表六玉!人の悪口を散々聞こえるように言いまくりおってからに!」
全力で怒りを露わにしたのは、姿を現した一葉が立ち上がってからの一言だった。
「・・・・よう我慢したな。一葉」
あの悪口で反応して、物音が聞こえたら即効アウトだったけど。幸い結界を+防音にしたので、一葉が物音を出しても外からは聞こえないようにしたけどな。
「当たり前だ。あの程度の悪口で腹を立てるほど、人間が出来ておらんわけでもないぞ。余は」
今無茶苦茶腹を立てて言っても、何も説得力はないけどね。
「後で覚えておれよ」
「覚えてって、さっきの悪口は俺も聞いていない事になっているんだからな」
俺から聞いたことになればとばっちりを受けるのは俺なんだけど。
「ならば余が勝手に床下に忍んでいた事にしてくれる。であれば、主様も悪くはあるまい」
「幽の事だから、絶対とぼけるだろうな」
俺辺りに話を振ってきて、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ