十九章 幕間劇
礼拝
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のお方がでうす様。ですが、そちらのお方はどなた様ですの?」
「こいつの名はヤハウェ。旧約聖書の唯一神である。まあデウスと似たような存在と言うべきなのかな」
「そうなんですの。でうす様の前で祈っていましたとは驚きですわ。あとずっと見ていましたの?」
「まあこちら側は祈りを叶える方だからな。真剣に祈りをしている梅は綺麗だったよ」
「そんな、綺麗だなんで・・・・。ハニーに改めてそんな事を言われると・・・・何だか、恥ずかしいですわ」
まあ祈りの内容はデウスから聞いたが、俺やみんながいつも健やかにありますように、日の本に仇なす悪魔の使いがでうすの名の下に全て打ち払われますように、あとはその力を俺達に貸し与えてくださいますように、とのことだ。神は願いを叶えるというのはほんの一部のみ。力は貸すが、それを叶えるのはあくまで己の意志と力という事。
「そうか。だから、祈りか」
「ええ。そのおかげで、皆が無事にここまで来れたのですから」
「そうだな。その祈りは毎日してたのか?」
「一日たりとも欠かしたことはありませんわ。というより気付いていたのでは?」
「まあな。デウスからここにいる者で毎日欠かさず祈りをしているとは聞いていたけどな」
でもそういう素振りは見ていないから、どこかでやっていたのではないのかな。
「雫さんも今頃、馬の上でお祈りをしているのではないかしら?」
「あー。そういえば雫も奉教人だったな」
「そういう事ですわ。それに天は自ら助くる者を助く。天の父は、私たちを見守り、助けようとはしてくれますけれど・・・・諦めてしまえば、その手は届きませんもの」
「皆が頑張って、梅たちが祈りを捧げたからか。でも礼拝をするのならなぜ神社の拝殿なんだ?」
「以前、エーリカさんからお説教がありましたの。でうす様は今は私の目の前に居りますけど、どちらにいると思いますの?」
「俺?神界にいるから、天なんじゃないの?」
「はい。私もずっとそう思って祈りを捧げて来ました。エーリカさんが言うには、ここだそうです」
梅は穏やかに微笑むと、自らの胸元にそっと手を当てていた。
「心の中から、いつも私たちを見守ってくださるのだと。ですから、例え礼拝堂がなくとも、祈りを捧げたその場所が私たちの礼拝堂になるのだそうです」
「そういうことね」
「最初はそのお話に驚きましたけど、今はその通りだと思いますわ。だって京での戦いでも、一乗谷でも・・・・私たちの祈りはちゃんと届いていましたもの」
まあ俺自身が神だとは思っていても、同じ人間同士なんだと思う時がある。それに生き残れたのは神の加護を受けたのではないのかなと思っている。美空たちは毘沙門天の加護を受けているのならば、こちらは全て
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