十九章
逃走中×横撃からの奇襲×帰還
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「ご主人様。一葉様からの連絡です!我々を追っている兵を叩いても良いかとのこと!」
「それ、船からも同じことを言ってきたな。多分雫の指示だろうが、展開位置を前へ移したのであろう。返事は雫の判断に任せるとな」
一方雫たちはというと。
「私の判断に・・・・任せる、ですか?」
「うむ。どうする、雫。攻めるか、主様たちを拾うのみに留めるか」
「敵の数は?」
「物見の報告では、前衛に騎馬が百、後方に歩兵が四百・・・・総勢五百といった様子ですな。一真様たちを追って、必死に街道を駆けておりまする」
「五百ですか。一真隊の三百少々では、攻めるには少し厳しいですわね」
「まったく。黒鮫隊が動いてくれれば六百になりますが、今の所動いてなさそうですので、これは賭けになりそうですな」
「・・・・・・」
「重いなら、主様に指示を仰ぐか?」
「・・・・いえ。一真様がお任せ下さったのなら、それに応えるのが私のお役目です」
「で、ワシらはどう動く、雫よ」
「討って出ましょう」
「ふむ・・・・」
「ほお。勝負に出ましたな」
「賭けなのは重々承知しています。けれど・・・・これは好機でもあります。織田信長が恋人、織斑一真ここにあり。諸事情により貴人の姫を拐かした。返して欲しくば身代金を用意せい・・・・今ならそう名乗るにも、最適の時機かと」
「あくまでも大方針に従うか」
「方針を決めるのは一真様。そこに勝利をもたらすのが軍師の役目です」
「なるほど。確かに雫の言う通りであるな」
「どういうこと?雀わかんないよ。お姉ちゃんは?」
「・・・・・・」
「・・・・お姉ちゃんも分かんないかぁ」
「美空様とのお話でもありましたでしょう?今回の誘拐騒ぎは、美空様ではなく、落ち延びた一真隊が身代金欲しさに企てたことにしようと」
「え、でもそれじゃ、お兄ちゃんが悪者になっちゃわない?神様が小さな女の子を拐かした事になっちゃうよ?」
「・・・・そう言われると、凄く悪い事をしているように聞こえますわね」
「・・・・最低ですが、これも神の判断でしょう。一真様曰く悪い神もいるそうですから」
「ええ。ですがそれでも、悪名という名を越後に広める事が出来ます。そうなれば、その噂はいずれ尾張や美濃にも届くでしょう」
「人攫いの悪名が・・・・」
「あぅぅ・・・久遠様への弁明は、私がします・・・」
「まあ良い。であれば、源氏の白旒旗に足利の二つ引き両も足してやろうではないか。話に面白みが増すぞ?」
「姫の拐かしに足利が関与・・・・となれば、幕府の信用が落ちるんですけどねぇ?」
「なぁに、元々、信用なんぞ底をついておったではないか。その信用で主様の興
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