十九章
逃走中×横撃からの奇襲×帰還
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「お疲れさん、詩乃」
「はい。一真様もお役目無事に終わって何よりです」
そう言ったあと頭を下げたが、なぜか突っ立っていた。鞠は出迎えた時からくっついているが、詩乃は相変わらず距離を置いたままだ。
「詩乃は来ないの?」
「そういうのは鞠さんにお任せしているので」
「共同戦線でも構わんが?」
「そうなの。詩乃も一緒に来るのー」
と言ってもこれも通常運転の詩乃だ。なので、こっちから抱き寄せれば、どこか恥ずかしそうになって、俺に身を預ける」
「主様はいつも通りじゃが・・・・虎の目にも涙か」
「それが人というもんだよ。一葉」
「前にも言ったっすけど、本当は凄く優しいって」
「愛も憎も。深く、鋭い。それが御大将」
「面倒な女じゃ」
「・・・・公方様だけには言われたくないわね」
二人の語らいもまずは一息という所なのか、美空も空を連れて話の輪に加わってくる。ただ、その手は空の肩を抱いたままだ。
「余は面倒な女では決してないぞ。のぉ主様」
「一応うん、と頷いておく」
「ふふんっ」
俺の言葉に勝ち誇ったような一葉に、皆も苦笑していたけど。
「さてと。これで後顧の憂いは断てた、あとは春日山城だけだな」
「とはいえ、それが難題じゃな。どうするつもりだ?」
「人質がいなくなったとしても、春日山城は簡単に落ちる城じゃない。となれば決まっているわ」
「ひとまず城方の調略っすねー。・・・・柘榴はできないっすから、秋子さんの役目っす」
「右に同じ。家老の出番」
「はぁ・・・・。あんた達、秋子がいないからって言いたい放題ね。越後の要として、そういう搦め手も出来るようになりなさいよ?」
「秋子さん優秀っすから」
「秋子無双」
「なるほどな。そういう流れれで秋子は泣かされているのか」
美空が何も言わないから、これはあれか。二学期初日で面倒な係を押し付けらるパターンか。
「手数が多い方が捗るでしょ。柘榴、松葉も手伝ってあげなさい」
「っすー!」
「しかたない」
「全く・・・・」
秋子が酷い目にあわなくて何よりだ。
「で、帝釈天、お前ら美空に何を言ったんだ?」
ふむふむ。俺を物扱いしたから、詩乃を経由して美空に言ったんだと。そしたら青くなったらしい。次の仕事もあるから、小休止だ。次の仕事は城攻めだからな、大仕事の訳だが。まあ越後に来てからの仕事はとりあえず一つ終了したけど。
「俺らが無事だということ、届けばいいのだが・・・・」
たくさんの恋人がいるが、一番最初に恋人した者が心配だ。俺も皆も寂しいが、ちゃんと戻るからな。
「久遠・・・・・」
俺がそう思っているときの久遠はと
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