十九章
逃走中×横撃からの奇襲×帰還
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が買えるなら安いものぞ」
「やれやれ・・・・」
「それに敵兵五百とはいえ、一真様の追跡でその隊列は伸び切り、指揮も機能していない様子。横撃して分断すれば、敵陣は一気に瓦解するでしょう」
「じゃあ皆殺しにしちまっていいのか、母?」
「そうだな。これは一真隊の復活の狼煙だ。程々にしとけやガキ」
「だそうです。桐琴さんの言う通りで程々にお願いしますね。狼煙の見物人は、一人でも多い方が良いですから」
「だったらワシらは、後方に下がっとくんでな。伏兵がいたら勝手に殺すんで、そこはいいよな?」
「はい、お任せします」
「ああ・・・・行っちゃった」
「雫よ。一隊くらいなら、桐琴たちに壊滅させた方が良かったのでは?」
「いえ・・・・森一家は一真隊の切り札です。そして一真隊の裏である切り札は黒鮫隊です。出来れば切り札は春日山攻めまでは力を蓄えておきたいのです」
「なるほどの・・・・。あれも手のひらの上か」
「では、差配を行います。先鋒は蒲生忠三郎、次鋒は細川与一郎、右は八咫烏隊のお二人が。左は私、小寺官兵衛が受け持ちます。本陣は一葉様、お願い致します」
「それは構わぬが・・・・」
「はい?」
「采配は本来、余の役目なんじゃがの?」
「あ・・・す、すみませんっ!ついその場の勢いというか何というか・・・・あぅぅ・・・・」
「良い。やる気があるのは構わぬ。物のついでじゃ、次鋒は余、左には幽を入れるゆえ、ぬしは詩乃のおらぬ間に見事本陣を仕切ってみせい」
「・・・わ、私が公方様を・・・・!?」
「今の余は公方ではない。ただの主様の恋人で未来の妻じゃ。遠慮はいらぬゆえ、存分に使え」
「・・・・承知しました」
「なにがただの主様の恋人で未来の妻ですか。面倒事を雫殿に押し付けつつ、ご自身はちゃっかり次鋒に収まって、暴れる気満々ではありませんか」
「余もたまには暴れさせよ。・・・・此度は暴れられると言うたのは誰であったかの?」
「はてさて」
「あれ・・・・?」
「では各々方!迎撃準備!」
と忘れられたひよであった。一葉からの連絡があった。このまま街道を直進し、敵陣を一杯まで引き延ばせとの事だ。横っ腹に当てるとの事。
「というわけで、諸君!あと少しだ。全力で逃げるぞ!」
「うぅ、逃げてばっかりは面白くないですー!」
「雫の作戦だ。従え綾那。あと俺の命令に背くのか?」
「一真様のご命令を背くわけにはいかないわよ。綾那!」
「分かっているですよー!」
そして、そのまま全力で逃げ切れば・・・・。
「あれは・・・・!?」
見えてきたのは、一隊というより少々多い兵の一団だった。その先頭で元気よく振っている
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