十九章
再び春日山城下
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俺達は春日山城下にいた。人質を救出するためにな。なので、道具はトレミーから準備させているので俺たちは目標である崖に向かってる所だ。道具は?と仲間に聞かれたが船の者たちから用意をさせているとのこと。で、俺達が前調査したときから半月も経っていない。そのはずだが、前よりさらに酷くなっているのが分かるな。何でも多くの座が春日山を離れたらしいと聞いた。市の外れで目にしたのは疲れ切っているような兵に連行されていく昏い目をした町の人の姿。俺はあの時無実の者を無礼打ちや捕まえるなと警告を発したが効果はなかったらしいな。なんでも美空の姉と母は死神と閻魔の化身というのを信じていないようらしく、兵からの報告は空振りに終わったらしい。で、今は二手に分かれて町の調査をしていた。俺達がいた頃より酷くなっていないかな。俺はころと一緒にいるけど。
「・・・・ころは見るの初めてだっけ?」
「ずっと城に詰めていましたからね。・・・・あの町の人たちって何か悪い事したんですか?」
「いや、しょうもないことさ。歩いていたら武士の気に障ったとか、物の値段をまけなかったとか、そんなもんだよ」
「鞠ちゃん達から話は聞いていましたが、そこまでですか・・・・」
ころはあのときの綾那みたいに飛び出そうとはしてないけど、それでも辛そうな顔をしている。それでも今は耐えなければならないことだ。
「・・・・・そんなにひどいのかい?春日山は」
ころと話をしていたら、俺達の近くでその光景を眺めていた女の子が声を掛けてきた。咄嗟にスマホを出すとこいつはただ者ではなさそうだ。
「俺が言ったということは秘密だぞ。俺はまだ牢屋に入りたくないのでね」
「分かっているさ。だが、世も末だね・・・・」
「全くだ(こいつは武田の者で主に諜報の者か)」
「長尾が内輪もめしていると聞いて、良い仕官の口が有ったものだと来たんだが・・・・景虎は兵の募集を終えているし、晴景の春日山はこの様だし、困ってしまってね。君もその口かい?」
「似たようなもんさ。仕官が決まっていれば君はここにはいないんだろ?」
「まあね。あればとっくに赴いているさ」
「違いない。甲斐や上野辺りはどんな感じなのかね。北上の噂がいつもあるな」
「確かにどちらも落ち着いているようだから、そろそろ大きな動きがあるかもしれないね。ただ、安定している分、仕官の口を探すのは至難の業だろうけど」
「そうか・・・。だったらそれこそ、山を越えて三河や駿河にでも行った方が良いかもな」
「そうだな・・・・と、引き留めて悪かったね」
「いや大丈夫だ。互いの情報交換も悪くはないからな。良い仕官先見つかるといいな」
「それじゃ、また縁があれば。可愛らしい奥さん、大事にしてやりなよ」
そう言
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