十九章
静かな夜
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、それでも駄目だった時の覚悟も出来ていると・・・・」
「一つ訂正するが妻ではなく恋人な。まだ正式に妻としては迎えてはいない。それに俺は軍人であり、神でもある。だから死なないと思っていると思うが理解に苦しむだろうな」
詩乃は策を講じる立場。彼女の采配が一つ間違えば、一真隊の多くの兵が無駄死になる。でも、今までの事を考えれば間違った采配はなかった。
「そういえばそうでしたね。まだ恋人というのを忘れていました。新参の私でも、綾那ちゃんや鞠ちゃんのように剣の腕を磨いておけば、もっと一真様と一緒にいられたのかな・・・・って思うくらいですから」
「悪いな、雫」
「構いません。私はこうして、一真様とお話出来ていますし・・・・。以前、一真様も仰っていましたよね?詩乃と私、一人では足りない・・・・二人の力が必要になると。今が、その時なのだと思いますから」
「まあそうかもしれないけどな。俺の妻たちも寂しい思いをさせているが、皆は寂しいと思っていないと聞いた。いつでも心は繋がっているとな。それに詩乃は気付いていないと思うけど、詩乃の悲しい気持ちは繋がっているから分かるのさ。まあ今はこういうことしか言えないが、いつもありがとな雫」
俺は妻たちが安心しているから存分に戦える。それは心と心が繋がっているからだと思う。それに今ここにいる雫や詩乃も黙って支えているから、戦えるからだ。
「ふふっ。そう言って頂けるだけで、十分です。でも、詩乃や鞠ちゃんが戻ってきたら、二人にも言ってあげて下さいね」
「ああ。任務が終わったらそうするつもりだ。もっと一緒にいられる時間をな」
その時間は操ってはいけない時間だ。一緒に居られる時間を長くするには、俺に応えてくれる想いに応えられるようにしなきゃなと。じゃないと、奏と結婚していないし、拠点にいる妻たちとも結婚はしていない。だけど、これは俺の任務だからだ。それを理解しているから、妻たちを置いて来ても寂しさは感じないけど。
「今日はお話出来て、嬉しかったです。明日からの作戦もありますので『そろそろ寝ろだろ?』やはり分かりますか」
「そりゃそうだ。俺は司令官だからな、船での仕事もあるし、部下との会話も楽しむのも司令官の仕事だ。そしてこの任務が終わったら一緒に寝ような」
「はい。そのときは・・・・たくさん可愛がってくださいませ」
そう言って、雫はふわりと柔らかな微笑みを浮かべた。
「この任務が終わればな」
「あ、今のお話、詩乃には内緒ですよ!」
「分かっているさ。それじゃおやすみ」
と言って、俺は寝所に行ったけどな。詩乃が泣いているのも全部知っていることだが、ここはあえて知らないフリをしていた。あと心の声も聞こえるから、隠しても無駄だけど自分から言ってくれる
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