十九章
救出作戦による策
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「双葉様みたいな感じですか?」
「あれは別に人見知りという訳ではないが、見かけとしてはそのようなものであろうな」
「で、もう一人の愛菜はどうです?」
「んー。何と言えばいいのか」
と言いながら、もう一枚の写真を見せた。
「この子が愛菜ですか。特徴は分かりましたが、なぜ唸るのですの?」
「秋子曰く変な子なんだとさ」
「変な子って、お姉ちゃんみたいなの?」
「・・・・・・」
「烏さん、雀さんを指差していらっしゃいますけど?」
「ええーっ。雀、変な子なんかじゃないよー!?」
「俺達もこれで見ても変な子なのかまでは分からないが、見ればすぐ分かるとの事だそうだ」
「秋子さん直々に、『扱いが面倒なら無視して良い』と言われたくらいですしね・・・・」
正直偵察機で見た感じでは変な子なのかは不明だったが。まともな秋子の娘いや養女だからか、秋子基準にはならないか。その変な子を養女にした秋子もどうなんだろうな。
「そういうのは普通ほっとくが、人質救出のためならしょうがないな。一真。ワシらならほっとくがな」
「美空からの頼みなんだし、人質を解放した方がやりやすいだろうしな。それと愛菜は空の側近や世話役のような役目をしていると聞いた」
「私の聞いた話でも、二人は同じ所に捕まっているそうでしたから、侵入するのは一箇所で構わないと思います」
「して、場所は?」
「ころ。預かってきた地図を。俺達のと比べてみよう」
「はいっ」
俺の言葉に、ころは預かってきた地図を広げた。その横には正確な地図が置いた。
「まさか、春日山の縄張り図ですの・・・・?・・・・長尾の皆さん、本当に本気なのですわね。あとハニーが持ってきて地図もより正確ですわ」
梅が驚くのは無理はない。縄張り・・・・城の配置図なんていうものは、極秘中の極秘だ。軍師なら、これ一枚でいくらでも城を落とす策を立てられる代物。長点から弱点まで記された虎の巻を、美空たちは俺達に預けてくれた。それだけこの作戦に賭けたのであろう。まあ俺のは小型偵察機で、データ化したものを印刷したものだ。こちらの方が分かりやすい。
「俺が用意したのは、城からの真上から撮ったものだ。ころが用意したらしいが、こんな物を用意してくれるとは思わなかったがな」
ころの記憶と俺らの偵察機で作った配置図もあるけど、長尾家公式のだから精度は抜群だな。
「・・・・ほう。春日山とはこのようになっているのか。攻め応えはありそうだな、ガキ」
「ああ。こういうのは面白そうだな、母」
森親子の言う通り、春日山城は中規模な曲輪が本丸や天守を守るようにいくつも連なっている。全体を見ればかなり複雑な構造になっているが関係ないな。
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