十九章
軍議
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「長尾美空景虎、少しよろしいでしょうか？」
「なにっ！？って帝釈！いつの間に」
「我が主より提案がございます。よろしいでしょうか？」
「・・・・言ってみなさいよ」
俺は立ちあがり帝釈天は、俺の横に立つ。毘沙門天もだけど。
「二人の居場所は既に分かっているんだ。・・・・だから、俺達で二人を攫ってくる」
「さら・・・・なんですって！？」
「話は最後まで聞け！城に忍び込んだ賊が、高貴な身分の少女たちを身代金目的で攫う。・・・・長尾景虎とは全く関係無いところでな。ない話ではなかろうに」
「それはそうだけど・・・・。一真隊の存在は、もう向こうには・・・・」
「調査は数人でやったし、騒ぎはあったが本隊は動かしていない。向こうは織田の残党が領内に入っている・・・・まして、そいつらが美空に協力してるなんて知らんと思うぞ」
「だとしたら・・・・いえ、でも・・・・」
「後は美空が賊を退治したとか、柘榴が偵察中に追い散らして助けたという筋書きにすればいい事だ」
「追い散らしていいんすか？」
「あくまで筋書きということだけだから、本気で追い散らすなよな。俺らは味方なんだから」
まあ、勝負を挑まれたとしても勝てる自信はあるけどな。それに空と愛菜を渡せばいいのだから。
「それにこの前諜報任務を受けたときに言ったよな。美空も助けに行って来いと言ったではないか」
「あんなの、冗談に決まっているでしょう」
「出来るわけがない」
「その判断はダメだな。そちらが不可能というのなら俺達なら可能な話だ」
「良い案だとは思うっすけど、一真さんも春日山は見たっすよね？見て分かる通り、難攻不落っすよ」
「ええ。賊が易々と入り込めるような城では、決してございません」
「その辺りは諜報活動中に見て回ったし、俺達の船で忍び込めるところはもう分かっている。難攻不落の城に忍び込むのは何回目だったかな？」
「忍び込んだのは二回。潜入して拐かしたのは一度ですが、拐かすだけなら枚挙に暇がありませんね」
「そういうことだ」
「拐かしまくりじゃないっすか」
「主様はそういうのが得意なのでな」
「一真は何度も本丸の主の頸を刎ねたと聞いたことがあるの」
まあ黒鮫隊でやるなら徹底的にやらないとな。それに黒鮫隊の実力はまだこいつらには見せていない。
「今回も良い得策かと思います（それに黒鮫隊の実力もまだ見せていませんし）」
「ありがとよ、詩乃。で、どうなんだ？二人を攫った無法者達から二人の安全を取り戻して、それから謀反者たちと決着を付けてみればどうなん？」
「・・・・あてはあるの？」
「無論だ。もう作戦は決まっているから、あとは実行するのみ」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ﾍﾟｰｼﾞ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿ｻｲﾄ〜
利用規約/ﾌﾟﾗｲﾊﾞｼｰﾎﾟﾘｼｰ
利用ﾏﾆｭｱﾙ/ﾍﾙﾌﾟ/ｶﾞｲﾄﾞﾗｲﾝ
お問い合わせ
2024 肥前のﾎﾟﾁ
しおりを解除