十九章
軍議
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し姫たちを助ける。その後次に美空が取り返すのは、悪漢どもに奪われた難攻不落の居城、春日山城。果たして美空は無事に城を取り戻せるのか?ってね」
「大した口上ね。で、本当に猿芝居を押し通すつもり?」
「猿芝居を見抜ける者はそんなのは一々口を挟まないさ」
空気を読んで黙認するか、その流れを利用するか。どちらでも、美空の障害にはならない。
「春日山の皆はそれで希望が見えてくるし、城の兵たちには一層の威圧にもなる。人質の件がどう終わったとしても、次は春日山なんだろ?」
「ええ」
「南の動きも相当怪しいしな。ここでもたもたしている暇もないだろ?」
「確かに。甲斐に放っていた軒猿からも、武田は着々と軍備を整えつつあると・・・・」
「どうだい?どう転んでも、美空は春日山を取り戻せる」
人質がいなくなれば、五千の兵の士気はさらに下がる。逆に美空たちの兵の士気は上がる。そうなれば春日山を取り戻すのは難しくないはずだ。
「・・・・私はそうかもね」
他に考えが思い浮かばなかったのだろうな。美空は少し考えていたが、小さく息を吐いた。
「あなたはどうなの?分の悪い賭けじゃないの?」
「賭けどころか成功には繋がるな。それに人質がいる場所から、詳細な城の中はこうなっているし」
俺は空間から手を突っ込み10枚くらいの写真を取り出した。小型偵察機で映像を記録と共に画像として写真に残した。それを机に置いた。美空たちはそれを見ると驚いていた。なぜ驚いているのか不思議に思ったらしいので、もう一度空間に突っ込んで同じのを取り出して詩乃たちに渡した。それに写っているのは元気にいる空と愛菜と謀反者の写真だった。謀反に手を貸した者までな。あとは罪のない者への無礼打ちやひっ捕らえたところなど様々。
「こんなのいつ間にしたのよ。というかいったい誰が!」
「これをしたのは生憎人ではない。お前らで例えるなら絡繰りと言った方が分かりやすいか」
見終わった後は返してもらったけどね。
「全く・・・・。やれやれだわ」
小さく呟いて、美空は肩をすくめる。その表情は、さっきまでの険しいのとは違うようだ。
「一葉様。禁裏が恋人の御免状を出したって意味がよーく分かった」
「ふふん、今頃か」
「一葉。そこは威張るところではないぞ」
「なにっ!?」
「うん。別に褒めてはいないのよ?」
「なんと・・・・」
そして、俺は立ちあがりと共に護法五神も立ち上がる。
「織斑一真様」
「何だ?」
殿ではなく様付だった。たぶん帝釈天たちがいるのだろうと思ってのことだろう。殿を付けたら帝釈天たちからの冷たい目線が来ると思ったのだろう。
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