十九章
軍議
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もうすでに具体的なプランは決まっている。
「一真がそう言うならあとは行動を移すのみなの」
「根拠はあっても勝算は見えないことに、越後の運命を託すことなんかできないわ。それに失敗したら・・・・」
「長尾景虎。越後の龍の名に傷が付きます。そうすれば決して一枚岩でない豪族たちの侮りを招き、更に越後が混乱します。・・・・やはり、二人を切り捨てる・・・・」
べきと言おうとした秋子の言葉を封じたのは俺だった。拳銃を斜め上に向けて発砲したからだ。
「そんなしょうもないの考えるんじゃねえぞ。第一傷なんて付かねえんだよ」
「え?それはどういう・・・・」
「秋子よ。俺達は越後の人間じゃない。忘れては困るが俺達は織田の一真隊だ」
「失敗しても、成功しても。織田の名前を喧伝しておけば美空様の名に傷は付きません」
「信憑性を増すためにも、金ヶ崎の退き口でぼろぼろになった織田の残党が、金目当てで人攫いを行ったとでも流言を流しておけば・・・・恐らくは大丈夫でしょう」
「俺達が成功すれば、その俺達を討伐した事にして二人の身柄を確保したと言えばいい。それに失敗なんて言葉は俺達にはない。仮にあったとしても、美空の信用を失うだけだから、美空たち長尾勢には損はない。最悪な状態になっても、秋子の進言した策となんら変わらない。まあ、向こうが自分から貴重な人質を殺すとは思えないがな」
「ならば、挑んだ方がマシ・・・・という事ですか」
「・・・・・」
「今言ったお兄ちゃんの言葉はあくまで仮の話だよ。それにお兄ちゃんにはあたしたちもだけど、他の神や僕がいるってことだよ。ねえ、みんな!」
と言った瞬間に長尾勢の陣内に俺いや我の味方である神たちが集結した。護法五神に金剛力士、阿修羅、鬼子母神、十羅刹女、八大夜叉大将、風神雷神。あとは冥界からで死神、キュクロプス、オーク、グール、ミノタウロス、狼族の魔族兵たち。そいつらの出現により我以外の者たちは非常に驚いている。神界からのは一度だけ会っているが、冥界から来た者たちとは初めてであろうな。
「これが神の味方とでも言うの?」
「これでも一部だ。全てを呼ぶのであれば我の姿は変わっている。神界と冥界の強者共よ、いつでも来れるよう待機していろ。護法五神はこのままここにいろ」
『御意!』
集結した神と僕たちは、それぞれの世界に戻って行った。まあ美空は護法五神を呼べるだけだが、俺は神界と冥界にいる全ての神と僕たちとは友であるしな。
「本当にそんな筋書きが通用するとでも思っているの?」
「皆そんな裏を取るほど暇ではないことは分かっている。それにこういうのは面白い展開の方が好きなんでね」
「面白い・・・・?」
「春日山城から攫われたが、そこに美空が登場
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