十八章 幕間劇
温泉デート
[4/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「合ってるよ。もう少ししたら、着くと船からの知らせだ」
「そうなの。じゃあ、行ってみるの」
迷うのも楽しみだけど、ナビのおかげで迷わないで進む。
「あ、一真!あれ!」
「ああ。あったな」
やがて見えてきたのは、ゆったりと昇る湯気であった。
「ここは温泉なのか?」
そう、ただの河原だったけど。
「でも、湯気が立っているの」
俺はお湯を計測すると、温泉特有のがあったから間違いなく温泉のようだ。そういえば川にも温泉があると聞いたことがある。あの辺りを掘って自作の露天風呂を作るとかがあったな。
「わ、お猿さんなの!」
「人の気配はないな」
辺りの湯だまりは石を囲んで作ってあるみたいだから、地元の人がたまに入るところなのかな。それ目当てに来ていた猿が何匹か気持ち良く温泉に浸かっていた。俺は猿に俺達も入っていいか?と聞くと入ってもいいらしい。
「わーい!」
「っておい!」
いきなり服脱いで、飛び込むのかよ。
「一真は来ないのー?」
「行くからちょっと待ってろ」
と言ってから、量子変換機で裸になって腰にタオルを巻いた。かけ湯をしてから入ったけどね。
「ふー、気持ちいい」
「ふふっ。一真も気持ちよさそうなの」
俺が即席の湯船の中に入ったあとに、腰のタオルは頭に置いた。足を伸ばして入ったら、鞠はその懐にするりと入ってきた。
「えへへー。一真とおふろなのー」
「気持ちいいな、鞠」
風呂にタオルを付けるのはルール違反だからな。鞠もそうだけど。(原作では鞠はタオルを巻いて入ってた気がする)
「お風呂も一真もあったかいの・・・・・。一真は気持ちいい・・・?」
「もちろんだ」
背中の岩にゆったりと身体を預けている。落ち着いてるし、何かあれば風は敵の探査を、水は防御にするしな。全身に染み渡る湯の温もりも、乗っている鞠の重みも、たまらないな。
「ふわぁ・・・・」
「あ、一真ー。変な声出してるのー」
「気持ちいいと出ちまうんだよ。鞠はならないの?」
「鞠、そんな声出さないの!・・・・・・・・ふぁあ・・・・・・・ひゃっ」
鞠も気持ちよかったのか、俺から移っただけなのか・・・・大きなあくびを一つして、慌ててその口を閉じる。
「鞠も出してるじゃないか。変な声」
「さっきのは声じゃないの!あくびしただけなのー!一真のいじわるー」
「ははは、ごめんごめん」
「じゃあ、一真。髪の毛、洗って欲しいの」
「髪?」
「うん。本来はさいかちの粉だけど、今回はいつも船の皆が使っている物で洗って欲しいの」
さいかちって、シャンプーの代わりに使う豆のさやのお化けみたいなのか。俺は一応男女
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ