十八章 幕間劇
ころの任務内容
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箱を開けるが、俺のとは違ってこの世の物だ。杉の薄板を曲げて作られた、この世でも昔から作られている定番の弁当箱。ひよところのは清州にいたころから使っていたのかな。
「いただきまーす」・「いただきます」
手を合わせるのも同じ。
「むぐむぐ・・・・。今回は主に肉だな。そっちはころの料理ではなさそうだな」
「はい。今日は姫路衆の人達の当番ですから。そちらは、何やら女性が作った物っぽいですね」
「そりゃそうだろうよ。愛妻弁当だ」
「だから、私たちのより種類が豊富なのですね。それに味も違うんですね」
「まあな。そっちだってころと姫路衆じゃ味違うだろう」
姫路衆のは上方風というらしい。俺のは現代の弁当だから味は濃いが、一真隊は当番制で作るから、中には薄かったり濃かったりする。
「こっちは毎日食べられるからいいけど、そっちは貴重な食糧なんだろ?」
「はい。ですが、毎日食べれるだけでありがたいですし。ご飯もおいしいです」
「ひよは白いご飯があれば満足なんでしょ?」
「当たり前だよー」
「・・・・ふふっ」
「はははははっ!」
白いご飯があれば満足かー。そっちはいいけど、こっちは今まで毎日トーストにハムエッグに微糖のコーヒーだったからな。トレミーに戻れば、いつでも食えるが戻っても食べたり飲んだりという暇はないだろうしな。戻れば、報告書をデータ化した奴を見るからな。
「えっ。何でころちゃんも一真様もそこで笑うのー!?そこ、笑う所じゃないよー!」
「いや、明らかに笑うところでしょ。ね、一真様」
「俺もそう思う」
「んもー、二人ともひどーい!」
「あはは・・・・それより一真様」
「何かな?」
「どうして一真様、お一人でご飯食べていたのです?」
「そうそう。こんなに恋人がいるのに」
「船に戻れば妻たちと一緒に食えるが、ここには恋人がたくさんいる。だけど、皆忙しそうだったし。仕事や稽古で声をかけるのは野暮だろ?」
「まあ、そうですね。でも今は美空様の連絡待ちですから、大丈夫かと思いますけどね。でもそれだったら確かに野暮ですね」
「それにもし俺が一人でご飯を食べていなかったら、今頃お前たちは二人で食べていただろ?」
一人で食べていると誰かしら声がかかったら、一緒に食べると思うし。ひよが一人占めとか言ったけど、結局ころも一緒だから二人占めなんだと。
「・・・それで、美空さんはまだ見つからないんですか?」
「うむ。小波や、足利の草の者達に探させているが、一体どこに行ったのやら」
本当は見つかっているんだけどね。あのお守り袋には超小型の発信器と盗聴器が仕込んである。いくら、美空の用兵が凄くても発信器に反応があれば、バレバ
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