十八章
諜報活動最終日×撤退
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ですね」
「凄い人なのかな、その政景っていう人は」
「切れ者と噂の方です。実際、秋子様の守る春日山城を、二千の兵で占拠。そのあと、調略に力を入れて、晴景様の勢力を五千近くにまで膨らませたというのですから」
「五千か。美空の方はどうなっているんだ?」
「秋子様の定時連絡では、八千を集めたところで呼集は打ち切ったとのこと」
「打ち切った?なぜに?」
「なんでも美空様が一番、指揮しやすい兵数が八千らしく、それ以上は不要とのことでした」
「なるほどな。俺直属の部隊も三百だけだが、それ以上増やすということは考えていないな。あと一真隊は確か・・・・」
「同じく三百くらいなの」
「八千三百から六百ね。まあ、黒鮫隊は切り札だから。使うときに使うさ。春日山を占領しているの敵方は五千。定石じゃ、あまり有利とはいえない」
「でもでも、戦は兵数じゃなくて士気なのです!だから負けないと思うのですよ?」
「士気か」
五千の兵も町にいる兵もそんな感じなら、理屈も通じる。現に俺達は、士気を保ちながら鬼と戦ってきたわけだし。兵の数は、兵法の基本っていうし。足りないのであれば軍師が策を考えてくれる。あの時のようにな。
「その判断は、詩乃に任せよう。これでひとまずの情報は集まったと思うし」
「事前の諜報活動としては充分かと。あとはころ殿が城内の諸将の様子を調べてくだっていれば、ほぼ完璧・・・・・」
「この音は?」
「・・・・呼び子、ですね」
「呼び子?」
嫌な予感だけしかしないから、脱出用のバイクと装備をいつでもいいようにした。
「見回り役が仲間を呼ぶために使う物ですが・・・・」
時代劇でよく見るあれか。大通りを御用提灯の列が並んで、屋根の上ではほっかむりをした泥棒が走っていくというのがお決まり。
「ねえねえ。なんかこっちに来てるような気がするの」
「です。どういうことです?」
「あー、もしかして、バレたのか?」
俺が言ったら小波も同じことを考えているようだった。通信機をはめていつでも走らせるようにしておけと言っておいた。
「・・・・綾那、鞠、すぐに準備をしろ。すぐに出発をする!」
「ほえ?明日の朝じゃないの?」
「早くしろ!」
「あ、もしかして、ころが・・・・・」
「お、お頭ぁー!しくじっちゃいましたー!」
「こうなることは分かっていた。すぐに逃げるぞ!」
「は、はいっ!」
「小波、先導を頼むぞ。俺は後ろで何とかする、厩のところに黒鮫隊の者が待機しているから。それに乗って脱出しろ!」
「わかったの!一真も気をつけてなの!」
といって、得物を持ち出したあとに、宿の階段を駆け下りて、その奥にある厩
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