十八章
諜報活動最終日×撤退
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る演舞だったし。
「わーい!」
「やったのです!」
あのおかげで昼食を食べに行った食堂でも、興業を見ていた色んな人から声をかけられて・・・・沢山の町の声を聞くことが出来た。
「興業でお金もだいぶ稼いだし、町の人に少しでも還元しないとな」
「そうですね・・・・。春日山の町の人たちも、早く元の生活に戻してあげたいのです」
「うん。みんな自分のことも大変なはずなのに、鞠たちのこと、たくさん心配してくれたの・・・・」
そう。そうして話が出来た町の人からの声で一番多かったのは、上に対する不満でも、美空に対する希望でもなく・・・・。『早く町から去った方がいい』という忠告。
「そのような事が・・・・」
別に余所者の俺達を警戒していたわけでもない。美空が治めていた頃はよかったけど、今の状況は凄く酷い状況だ。この先は絶対に戦場になるし、あの武田も、虎視眈々と越後を狙うだろう。旅の一座である俺達にはもっと安全な興業先があるだろうという忠告もあった。
「小波は聞かなかった?」
「はい。美空様への期待や、晴景様への不満は多く聞きましたが・・・・。それは、ご主人様たちが居たからこその声だったのでしょうね」
「だからね。今度は鞠たちが、美空が帰れるお手伝いをするの」
「足軽の人たちも、美空様とは絶対戦いたくないって言ってたですよ」
「だよねぇ・・・・」
初日と同じように、綾那はいつの間にやらご飯を食べに来ていた足軽の人たちと仲良くなって、色々と話を聞いてくれていた。
「越後の龍に対して、自分たちを指揮するのは、良く言えばお人好し、悪く言えば無能な晴景様ですからね。そういう話が出てくるのはむしろ当然でしょう」
「ふむ。辛みの効いた人物評だなぁ。・・・・詩乃辺りの影響か?」
「も、申し訳ありません!」
「はははっ、冗談だよ冗談。だが、実際に戦う兵士の士気がそれだとなぁ」
足下を支える民たちの厭戦気分に、兵の士気がダダ下がり、あとはころの報告。
「ころも、上手くやっているんだよな?」
「はい。昨日の調査の時点では、城内の備蓄米は少なく、武器、玉薬も充分とは到底言えないとのことでした」
「・・・・よく、謀反が成功したの」
「だなー」
金も人望も戦力もない。しかも回りは強敵だらけ。正直そんな状況で謀反が成功したのもすごいが、さらに勢力も保てているのはどうなのだろうか。それだけ、人質になっている空と愛菜という子の影響が大きいって事だろうな。それと・・・・。あと、一応バレたらの話で準備はしてある。逃げる時用に、バイクを4台用意してもらっている。運転手も夜勤の者で暗闇の中でも運転できる者。
「謀反の功の全ては、美空様のご一門、長尾政景殿に帰するもの
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