十八章
今の越後×夜の悩み相談
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」
「そうなの。あのね、さっきまであったモヤモヤしてたのが、聞いてもらえたからなのか消えて無くなったの」
俺にはまだあるように思えたが、先程より鞠の表情は明るくなっていた。
「これって、一真とたくさんお話したから?」
「ああ。俺はそう思うよ。・・・・そのおかげで鞠の事がもっと知れたのだから」
こういう悩み相談で軽くなるなら安いもんだ。それに部下の知らないところは本人が言うまで、無理やりには聞かない。
「鞠。いつまでも夜風に当たっていると、風邪をひくぞ」
「あぅ、そうなの。さっきからちょっと寒いの」
「明日も鞠の力は必要なことだ。今日は一緒に寝よう」
「うんっ!」
用意されていた布団に入る前に寝間着に着替えたあとに、掛布団をめくる。そうすると鞠は障子をそっと閉めて、そこに入るようにするりと飛び込んできた。
「えへへぇ・・・・」
胸元からひょっこりと覗く顔は、さっきまでの寂しそうな笑みではない。幸せになりそうな満面の笑みであった。
「一真の身体、あったかいの」
そりゃそうだろうよ、神の力で少し暖かくしてあるから。そして俺の体に回るのは、鞠の小さなか細い手足。
「暑い?ちょうどいい?あと寝づらくない?」
「ちょうどいいの。あと今日はこういう気分なの♪・・・・だめ?」
「ダメとは言ってないだろうに。ゆっくりお休み」
理由がなくても甘えてくるのなら俺は嬉しい。
「えへへ。おやすみなさぁい」
「おやすみ、お姫様」
幸せな温もりを感じながら、俺は鞠を抱いたまま寝た。綾那も爆睡中で、小波も屋根裏で寝ていたけど。
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