十八章
今の越後×夜の悩み相談
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にとっては正しい事だと思い続けたことだ。同じ道でも踏み外す者もいるだろう」
「・・・うん。今は、綾那の気持ちを分かるの。一真のやりたい事がなかったら、きっと鞠も綾那と同じ事をしていたの。綾那のした事は間違いだけど、間違っていないの。一真が人の姿じゃなくて神の姿になったお陰で綾那も鞠も気持ちが抑えたの。一真なら正しいことをするためにあの姿になったんだろうって」
まあ、俺の目の前であんなことがあっても、俺は動かないだろう。でも、あのときは小さな命を散らした綾那の怒りを代弁したからに過ぎない。今度もあんなことが起こったとしても、大閻魔化になって死神を呼ばないだろう。呼ばなくても勝手に死ぬ運命にはあると思うし。
「駿河にいた頃の鞠は、それが分からなかったのかな」
「たぶん、そうなのかもな」
それでも鞠がしてきた行動には意味があったのだと思う。人の行動と言うのは必ず意味があることだ。
行動したあとには、後悔をするのかは、それも人の道の一つだ。意味なんてないなんてことはないはずだし。
「でもな、今の鞠なら、それが分かっているんだろ?」
「うん。まだ全部は分からないけど、ちょっとずつ分かってきてる気がするの」
「ならばそれで良い。落としてきた物は、一つずつ拾って、なんだったのかを確かめればよいのさ。だから、答えを一緒に探せばいこうよ」
「一緒に・・・・・」
「あのとき、桐琴が言った。『お主が信じる道を行けば良い。それが正しいと思うのなら、ワシらはついていく。間違っているならば、喧嘩をしてでも止める』とな。仲間っというのはそういうものだ。主がおかしなことがあれば、進言をして正しきところに進ませる。鞠も俺がおかしいと思ったら言ってくれ」
「一真にもあるの?そんなこと」
「神でもな、間違いは起こる事なんだよ。それを間違いだと進言するのは俺を主だと言ってくれる神たち。それに悩む事もあるさ。何かがおかしいのか、ちゃんと教えてくれたら話すさ」
「うん・・・・っ」
主語無しで話すと分からないが、ちゃんとした筋道で話してくれたら理解する。たぶん、駿河にいた頃の鞠はこうやって話してくれた人が少なかったのだと思う。だから鞠も、お互いの視点がズレて気付かなかったのだろうな。それが重なったのか限界を超えてるからこそ、今の鞠は駿河から離れたこんな所で静かに月を見上げていたンだと思うんだな。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・へへ」
鞠の口から漏れたのは、ホッとしたような感じだけど、どこか力のない笑みだった。
「あのね。・・・・一真にね、聞いてもらえて良かったの」
「そりゃそうだろうな。上司は部下の悩み相談を聞く立場でもある。それに今の鞠は俺の部下、鞠の悩みを聞くのは当たり前じゃないのか?
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