十八章
今の越後×夜の悩み相談
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「その通りです。商人の情報網は、自分たちとは比べものになりませんから」
青芋座がいなくなって、明日は我が身と思ったのだろう。武士以上にフットワークの軽い商人たちなら、さもありなんということだ。
「で、お金がなくて矢銭も物資も召し上げです?んー、おバカな連中なのです」
「自分から敵を作るようなもんだ。だから、城の頭もバカなのだろうな」
金がないからタダで召し上げようとするから、信用性がなくなる。信用がないともっとお金がなくなる。ちょっとした自己破産みたいな感じだな。そもそも経済を敵に回すとどうなるか分かっていないのだろう。だから美空は姉のことを無能だとか言ってたけど、少し納得がいくくらい無能だよな。
「膝元の住民達もそっぽを向き、座の連中もそっぽを向いている。どこかで見たことがある光景だな」
「どこかで同じ事あったです?」
「うむ。随分前に美濃でな」
まだ久遠が美濃を治める前のときは、あのバカ龍興を、商人も、町人も皆、冷たい目で見てたからな。
その雰囲気が伝わって、詩乃を筆頭に内応が続出してから、堅城と言われた稲葉山城もあっけなく落ちたもんな。
「・・・・小波から見て、この町はどう見る?」
「将は些細な事にも荒ぶり、おかげで兵や民の間では不安が広がっています。・・・・今日だけで切り捨てを二件、些細な事で引き立てられる者を三件見ました」
「そんなに・・・・」
「ただ、兵や民たちからの噂がこの宿に帰る前に聞きました。この町に閻魔と名乗る者とその僕となる死神が現れたと。そして、その閻魔は切り捨てをした者を黄泉路に送ったとのことで、民たちからは不安半分安心半分とのこと」
もう噂が広がったのか。まあ、あの場にいたらそうなるよな。
「・・・・小波もそれを見て、我慢したですか?」
「その者達の排除するのは簡単ですが、末端を潰しても意味がありません。それにここで騒ぎを起こすのは、ご主人様の意に背く事になりますから」
小波は淡々と語っているけれど、自分を納得させるのにどんな葛藤があったのか。
「やっぱり、小波は凄いのです」
「・・・・当たり前の事をしているだけです。ご主人様の明日のご予定は?」
「もう少し芸をしながら、町の様子を見る。もう少し様子見だ」
目の前で切り捨てがあったら、また俺の登場だが、しないだろうな。この町に閻魔と死神が現れたのだから、切り捨てをした者は即刻地獄に落ちることを。それが無くなるのなら、この先の未来で世の中が切り捨てで命が消えるのは阻止したいね。
「承知しました」
「とりあえず皆でご飯を食べてから、早く寝よう。小波は宿の人がお湯を支度してくれるから、後で使わせてもらえ」
「ありがとうございます」
いよ
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