十八章
春日山探索初日
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ち、だと」
「ひどいの・・・・」
美空が来るテンションだだ下がりというのは予想通りだとしても、他の仕事も話だけで気が滅入るのばかりだな。城の上層部も相当神経質になっているのだろう。そういう嫌な空気は町の中を歩く中でも感じるが、美濃よりも悪いな。今日の興業は絡まれなかったが、俺達も気を付けた方がよさそうだ。いくら正当防衛とはいえ、ここまでとはな。ふむふむ、死神によれば、最近は春日山にいた者たちばかりだそうだ。それも善人ばかりなんだと。あと俺の目の前で切捨御免されたら、死神はこう言っていた。
『旦那の目の前で無礼打ちをされたら、あっしを召喚してくだせい。それも斬った者達しか見えないようにしてくだせい』
とな。
「どうです!綾那、良い仕事したですか?」
「うむ。情報収集としては大手柄。・・・だが!」
スパァァァン!
「ひうっ!?」
小さくため息を吐いたあとにハリセン一発。
「何が起こるか分からないんだから、一騎駆け禁止だと言っただろうが!」
しかも町の状況がこんな感じならなおさらだ。
「そうなの。鞠も一真もすっごく心配したの!」
「あぅぅ・・・・ごめんなさいですぅー」
「今回はこれで許す。だが、一人で行動はするな。いいな?」
「はいなのです」
「(ご主人様)」
「(小波か。どうした?)」
「一真様、どうしたですか?」
「きっと小波ちゃんからの連絡なの。しーっ、なの」
鞠の可愛らしいしーっに、綾那も思わず口を押さえてくれる。
「(はい。先程ころ殿から連絡がありまして、うまく城内に潜り込めたそうです)」
「そうか。ころ、うまくいったと」
小波の念話は俺にしか聞こえない。だから俺はできるだけ二人に聞こえるようにする。
「ほんとですか!」
「よかったの!」
ころは一人だったから心配はあったが、何とかなったな。小波の用意した書状のおかげだろう。
「(ころ殿は利才ありと認められ、納戸役につくこととなった模様)」
「納戸役って確か・・・・」
「倉の管理とかする役なの。倉の中を調べるのが目的だったから、ちょうど良いの!」
「小波の作った書状が効いたのですね」
「そうみたいだ。で、中の様子は?」
「(今日は挨拶のみで、細かい調査はまだだそうです。明日も物資の搬入があるらしく、存外に早く目的も達成出来るかもしれないとのこと)」
「(了解。だけど、安全第一で無理だけはするなと伝えておいてくれ)」
「(承知いたしました。詳細はまた帰ってから)」
倉の中身を確かめるために入ったから、ちょうどいいのかもな。その辺りも全部分かっていて、上手く立ち回れたのだろう。
「上手くいって良か
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