十八章
軍議×現状×諜報任務
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たくこの無鉄砲な嬢ちゃんは、分かっていて言っていたのか大雑把なのか分からねえな。俺達の通信機はあくまで黒鮫隊の物だから渡せない。ため息を吐いて、ちらりと詩乃達を見る。詩乃も雫は俺の視線に色々と言いたそうだったが小さく頷く。
「ったく。まあ、予想はしていた。小波」
「はっ。用意しております」
俺は小波からいくつかのお守り袋を受け取ると、立ち上がり美空たちに回していく。
「何これ」
「これを持っていれば、ある程度の距離があっても小波と心の中で話せる。念話ともいうがそれが出来る。何かあったら、これでこっちから知らせる」
「なにそれ超便利じゃないっすかー!」
「一真隊はこのような物を・・・・」
「普通に凄い」
「・・・・ある程度の距離って?」
「秘密だ・・・・さすがに尾張や美濃には届かないといっておく。それほど長距離な物ではないからな」
「そう。外との繋がりを付けるのには使ってないのね」
「使えてたら俺たちは焦ったりしていない」
「けど、こんなものこっちに渡して良かったの?それこそ、一真隊の秘中の秘でしょ?」
「これはあくまで念話で話せる中距離な物だし、使える物は使わないと損をする」
それに俺にはこういうのではなく、耳にはめている通信機がある。あと、これを渡すのは詩乃と雫に反対されたが問題はないと言っておいた。情報の通じる速度は、そのまま兵の反応速度に直結する。使いこなせれば部隊運用が現代風になるし、今の常識がひっくり返ることになる。それに詩乃や小波には秘密だがさっき渡したお守り袋には細工をしてある。発信器と盗聴器を超小型にして仕込んでおいた。
「そう。これで恩を売る気になったわけではないのでしょ?」
「恩はもっとデカいところで売るつもりだ」
「なら何よりね。良い報告、楽しみにしてるわよ」
相変わらずの上から目線だが、帝釈天たちは怒る気満々だったのを手で停めた。あと俺が渡したお守り袋を物珍しそうに見ていたけど。さてと、搦め手専門の部隊だ。こちらの実力を見せないとな。
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