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文花の鬼時間
文花の鬼時間
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う妖怪だ。

「ケケケケ」

不気味に笑う小鬼。ヤバい逃げなきゃと文花はトラックの下から這い出るが小鬼は何もして来なかった。

「もしかして、恐いのじゃないのかな」

服についた砂を払い、小鬼にゆっくり近付いてくがやはり小鬼は何もしてこない

「あの、お話しできる?私、文花。あなたのお名前は?」

とうとう手を伸ばせば小鬼に触れれるぐらい文花は近付いた。
小鬼から返ってきたのは

「ケケケケ、ケケぇぇぇぇぇぇ!」

奇声のような咆哮。ちっちゃい体から発されてるとは思えない大音量の咆哮。
それに応答するように遠くから鬼の咆哮が聞こえてきた。
どうやら小鬼の役目は文花の居場所を鬼に教えることだったらしい。

「ケケケケ」

咆哮が終わると小鬼はまた不気味に笑い消えた

「な、なんなのよぉ!」

ここには居られない。もうすぐまた鬼がやってくる。
文花をはまた走り出した。

「はぁっ、はぁ。」

文花はさっきよりも走るのがキツく感じていた。それもそのはずさっきトラックの下に隠れていた時にスタミナムの効果は切れていたのだから

「はぁっ、はぁっ、はぁ。きゃっ!!!」

スタミナ切れ・・・
疲労によりなにもないとこでの転倒
疲れてもうたてる気がしない。
鬼との距離はあと数メートル。 
もう逃げられない、覚悟を決めぎゅっと目を瞑った。その時だった、聞き覚えの
ある声が聞こえてきたのは

「妖怪メダル、セット・オン!」

「え?」

声に反応して目を開ける

「紅蓮地獄!!!」

突如、文花と鬼の間に炎が燃え上がった。

「ありがとキュウビ!」

「フン、礼を言われる筋合いはないね。勘違いするなよ景太、今は文花を守るために協力してるだけで、僕とキミはライバルなのだからね」

現れたのは一匹の狐と文花がよく知る一人の少年。

「うん、忘れてないよ!キュウビもうちょっと時間稼ぎ頼んだからね!」

「フン、言われなくてもぉぉ!!」

狐が手をかざすと炎が更に大きく燃え上がり中にいる鬼がちょっと苦しそうに呻いた。

「ケータく、ん?」

目の前の光景が信じられないのだろう文香はキョトンとして言った

「うん。そうだよ」

にこりと笑う彼をみて思わず涙が出た。

「え、え、えぇ?!ちょ、フミちゃんどうしたの?!」

戸惑う彼の後ろから白いおばけみたいなのが出てきて彼に言う。

「あぁ〜ケータくんやっちゃいましたね。女の子を泣かせるなんて」

「俺のせい!?あ、そっか。恐かったんだよねふみちゃん。もう大丈夫だよ」

その言葉をきっかけに涙腺が崩壊。
文花は景太の元に走り出し抱きついた。今まで溜まっていたものが溢れてきた。

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