マクロスF
0780話
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「コホンッ」
スレイと唇を重ねるだけのキスをしていた俺の耳にそんなわざとらしい咳が聞こえてくる。スレイと離れてそちらへと視線を向けると、そこにいたのはニコリとした笑みを浮かべているレモン。……コーネリアとマリューも同様の笑みを浮かべている。
「私達の前で、随分と挑発的な真似をしてくれるわね?」
「あら、そう言えばシェリルとかいう娘の事も詳しい話を聞かされていないわね」
「ほう? やはりこの世界でも恋人を作ったのか。女好きも程々にしておいた方がいいと思うが……その辺は今夜にでもじっくりと話すとしよう。それこそ、そのシェリルという者も含めてな」
穏やかに……それこそ、笑みすら浮かべてお互いに会話をしているというのに、どこか張り詰めた空気を感じさせる。唯一スレイのみは薄らと頬を赤くして黙り込んでいるが。
そしてムウとイザークの2人が必死に俺に向かって何とかしろと目で訴えかけてくる。
尚、ムラタはと言えばそんな話に興味は無いとばかりに、ブリッジの壁に体重を掛けて目を瞑っていた。
どうするか……と考えるよりも、確かにシェリルを迎えに行くって言っておいたんだからマクロス・クォーターに行った方がいいのは事実だ。だが、その前に色々と決めておくべき事もあるしな。
こちらもまた、今の俺とスレイのキスシーンを見てか頬を赤く染めているエザリアへと声を掛ける。
「エザリア、お前には当然今回の交渉についても任せる事になると思う」
『……分かってる』
いつもはもっと柔らかい口調で答えるのだが、余程今の光景が衝撃的だったのだろう。ぶっきらぼうに返してくる。
『だが、泣き言を言うようで嫌だが、そろそろ外交担当が私1人でというのは厳しくなってきているぞ? 今はまだ何とかなってはいるが、このまま交流をする世界が増えていけば行く程、純粋に頭数が足りなくなる』
「ああ、分かっているよ。それについては宛てがある」
呟き、キノコについてどのような人物なのかを説明し、同時に鵬法璽を用いて味方に引き込むのを狙っていると話を続ける。
相手の意思を縛るような真似に若干嫌そうな顔を浮かべている者もいたが、それでもキノコが起こそうとした事を思えばしょうがないと渋々納得した。
実際、奴が俺の暗殺とかを企んでもまず不可能だが、レモン達を人質に取られるような事があれば、こちらとしても対応に苦慮するのは事実だしな。
危険分子という意味では正直な話ムラタもそれ程代わりないし、イザークにしろ俺を倒すのを目的にしていると公言している。だが、キノコはそんな2人とは違って常に他人を見下している。自分よりも下だと見ているのだ。それ故に、安心して背中を預ける事が出来ない。
それ故の鵬法璽であり、見張りの量産型Wなのだ。
まぁ、シャドウミラーに対
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