第六章 正義の在り処編
第百八十四話 『事情聴取と過去』
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―――………あなたは■■■■■。
―――そんな!?
―――私が、私達がなんとかするから………。
―――でも!
―――もう、時間がないわ。ごめんね………。
クル、くる、繰ると………。
悪夢は、何度も繰り返される………。
夢が繰り返される限り、彼女のカルマは無くならない。
◆◇―――――――――◇◆
………リオンをモリアの手から助け出して翌日、医務室でリオンは眠りについていた。
目を覚まさないリオンの横では徹夜をしたのであろうスバルとティアナの二人が目に隈を作りながらもリオンの手を握ってあげていた。
まだ先日の傷が治りきっていないというのに、よくやるわね………。と医務室を預かるシャマルは少し呆れながらも、しかし目をつむってあげていた。
スバルが少し暗い感じに表情を俯かせながらも、
「リオン、魘されているね」
「そうね。訓練校の時にはこんな姿を見たことがないから、まだまだあたし達にはこんな姿を見せられなかったって事かしらね」
そう、リオンは先ほどから何度も悪夢を見ているのだろうか、汗を掻き魘されている。
時折、「みんな………」や「やだ、姉さん………」、「ううっ…や、やだ…みんな……死んじゃヤダ……っ!」と物騒なことまで呟いている。
みんなというのは誰なのだろうか、姉さんというのは誰のことなのだろうか、生き死にに関係する過去があるのか、という疑問が湧く。
が、それは話してくれるかはわからないがリオンが目を覚ました後にでも聞けることだろうと今は気にしないことにしたスバルとティアナの二人。
聞き耳を立てているシャマルも気になっているようで、
「スバル。リオンちゃんからなにかその『みんな』や『姉さん』という単語に関係していそうな話題は聞いたことはない………?」
「いえ………聞いたことはありません。なんで、話してくれなかったんだろう?」
そう言ってスバルはさらに涙目で俯く。
そんなスバルの頭をティアナは撫でながらも、
「きっと、あたし達に話せないことだったのよ。その理由は、スバルもわかるわよね………?」
ティアナのその問いにスバルは静かに「うん」と頷き、
「きっと、リオンの出生に関しての事だと思う。あたしも戦闘機人の件はティア達に話すのは少し躊躇した経験があるからわかる………」
スバルは己の過去もリオンに重ねながらもそう言葉を続ける。
そんな時だった。
「うっ………みんな、姉さん! ダメ! 私は放っておいていいから、逃げて………ッ!!」
と、一際大きな声を上げて最後に、
「姉さんッ!!」
そう言うところで上半身を起き上がらせてリオンは虚空に手を伸ばしながら目
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