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東方喪戦苦【狂】
十九話 白夜
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「この…野郎がッ!!」
ネクロが怒りを剥き出して狂夜の心臓を再び取ろうとした。

「お前。死ぬほどの恐怖って感じた事無いだろ。」
狂夜が、何の脈略も無しに突然言った。

「人の事だけ苦しめて…全くお前が苦しむ気が無いなら教えてやるよ…」

狂夜は、眼を見開いて言った。
「真の恐怖をな。」

「『最終兵器魔法…』」

狂夜の身体が紫色のオーラで光り、そのオーラは、狂夜の手に集まった。

滅鬼怒(メギド)一億分の一。』

狂夜の手からリンゴの大きさほどの紫色の球体が跳んだ。

紫色の球体は、ゆっくりネクロに向かっていった。

「遅い!!」
ネクロは、それを避けて狂夜の胸元を狙って心臓をえぐりとりに行った。


が。


紫色の球体は、ネクロを追って加速した。

「なっ!?」

ネクロは、またも避けるが更に球体は、更に加速した。


「『分散』」
球体は、六つに分散し、更に加速した。

六つの内の一つの球体がネクロの手を捉えた。


そして球体が指に触れた瞬間。



ネクロの人差し指と中指が消滅した。

「グォォォォ!?」


「この『滅鬼怒』は、消滅波だ。これは、俺が意のままに操れる。…例えばこんなふうにな。」

狂夜が指をパチンとならすと六つの内の一つがパァンと割れた。

「さぁどうする?お前がここで諦めれば俺は、攻撃を止めよう。しかし…白夜は、俺が貰う。」

狂夜の言葉に対して白夜とネクロがどちらも違った表情を見せた。

「…今回は、諦めてやる…」

その言葉と同時に滅鬼怒が全て空中で止まり、今重力を思い出したかのように地面に落ちた。


「しかし…お前の仲間の骸とか言うガキは、もう時期使い物にならなくなる…俺が心臓をとったからな…」

「!?おい待て!!それは、どういう…」

「あいつの心臓は裕海に渡した…お前じゃ裕海には、勝てねぇ…アバヨ。糞が」
ネクロは、一瞬で姿を消した。

狂夜は、白夜の方を向いて言った。

「白夜。お前を縛るものは、もうねぇ…こっち側に来い。」

「だけど私は…アゲハを……」
白夜が下を向き、悔やむように言った。

「アゲハなら俺たちの方にいる。」

白夜が狂夜の顔に目線を合わせた。

「しかし…アゲハに合わせる顔が…」

「アゲハは、わかってくれると思うぜ。」

「…っ…」

白夜は、黙り込んだ。

「それに、あいつがまた来ようとも…俺が守ってやる。」

「…何故…貴方が…?」

白夜の質問に対して狂夜は、ボリボリと頭を掻いて言った。

「う〜ん…そうだな…分かりやすくすれば…」

狂夜は、白夜に
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